リチャード・グードのベートーヴェンが素晴らしかったの巻

ツイッター矢野顕子さんが、リチャード・グードが弾いたベートーヴェンピアノソナタ全集を絶賛していたので、全集ではなくまずは30・31・32番の収録された廉価盤を、おそるおそる購入してみました。
矢野さんは最近(ようやく)クラシックのピアノ曲にハマりだしたようで、ベートーヴェンシューベルトソナタを勉強中だけど、シューベルトがクソ長くて苦労しているとか、バックパックひとつ持って旅に出るときもヘンレの楽譜ははずせないとか、順調に私と同じ道をたどってくださっているようです。←何様?
グードのベートーヴェンをおそるおそる購入した理由は、矢野さんが好きなピアニストが、アルゲリッチやグールドといった、個性的な人だからなんです。なので、「グールドみたいな演奏だったらどうしよう」*1という気持ちで、まずは最重要曲の後期3曲のCDから聴いてみようと思った次第です。
感想は、内田光子系なピアニストでした。音色や、けれんみの出し方が内田さんのライヴ演奏に酷似(笑)。みっちゃんが全集を録音するとは思えないので、さっそく全集を注文しました。

この人のベートーヴェンが「アメリカ人とは思えないドイツ風の演奏」「現代的で、バックハウスの後継のよう」と絶賛されているので、みっちゃんの演奏もドイツ系なのでしょうか。このCDを「内田さんのライヴ録音だよ」といって聴かされたら、ちょっと信じてしまうと思います。そのくらい似ているので、驚きました。内田さんとの違いは、彼女ほどタメがなくて少しスポーティな感じがするので、重すぎる後期ソナタが苦手、でも軽い演奏はイヤ、みたいな人にはマッチしそうな気がします。強弱表現や音色は内田さんにソックリです。特に音色はまったく同じで、わたしには区別がつきません。同じピアノで録音したとは思えないのに、これだけ音色が似てしまう理由は、たぶん、グードさんが好きなピアニストと内田さんが好きなピアニストが同じなんだろうな、というかんじ。アルトゥール・シュナーベルエドウィン・フィッシャー。

*1:グールドの31番はすごくよかったけど、他の曲がw