INTEGRA-7のSUPAR NATURALシンセがいい感じの巻

ナチュラルなシンセサイザーって、意味不明もいいところですが、自分にとって最大の驚きはProphet-5がシミュレートできることでしょうか。
ローランドのシンセは、大昔のアナログ時代からJX、XP、JD、JP、そしてFantomに至るまでフィルターの切れが甘くて、-24dB/octのフィルターを搭載したProphetの音色をシミュレートするのが困難でした(V-Synthは知らないのでノーコメントでw)。INTEGRA-7は、LPFがそれまでより1種類増えて4種類あるんですが、その4つめがSCIのシンセに使われていた、カーチス製のチップをシミュレーションしたような挙動です。堂々と「P5-Bass」という名前で、YMOがBGMのころに使っていたようなシンセベースが入っています。正直なところ、P5で出すより良い音色です(笑)。理由は、オシレータが3つもあることによります。
あとはまあ、Jupiter-8とかJuno-106とか、往年のローランドシンセの音はてんこ盛りです。PWMの音が本当にPWMなので(意味が分からん人ごめんなさい)、ちょっと感激しました。Jupiter-8関係は、かなり忠実なシミュレーションになっています(これが売りみたいです)。なお、Juno-106に関しては、実機より遥かに良いサウンドになっていて(厚みと広がりが段違い)、これはこれで困ります。106をシミュレートするときは、オシレータを2つ使っちゃダメだってば、みたいなw
そのほか、SHなんちゃらといったモノシンセ系は概ねオイシイですし、オーバーハイムのジャリッとしたノコギリ波もいいかんじですが、タッチセンスに反応するOB-Xのサウンドはどう考えても不自然ですwでも感情表現がしやすくて、すごく嬉しい。

SUPAR NATURALシンセは、ノスタルジーな昔のシンセのエミュレータだと思っていたんですが、Junoのサウンドで2オシレータ以上使えるとか、実機で物足りなく思っていたことがしっかりと補完されていて*1、商品企画した人のシンセへの愛情が感じられます。SUPAR NATURALアコースティックは使いこなし(演奏)が難しいですが、SUPAR NATURALシンセの方はXV〜Fantom系列よりも音作りしやすく、演奏もしやすいと思います。

いずれにしても、フィルターが極めてアナログシンセに近く自然な挙動なので、そのあたりがナチュラルなシンセなのかなと思いました。ただし、すごく高音質でレンジが広く、どうかするとデジタルっぽいサウンドになります。なので、エフェクターをうまく使わないと、それっぽくならないと思います。このあたりが、腕の見せどころではないかしら。

*1:Juno-106のデュアル版があったの。