魔法少女まどか☆マギカと佐々木淳子作品の関連性についての巻

魔法少女まどか☆マギカのBD-BOXを買いました。
この作品については、多くの人がいろいろ語っておりますが、自分の中では佐々木淳子さんの漫画作品のパクリだと思ってます。もちろん単なるパクリではなく、非常に良質な再構成です。うまいことアレンジしたな、よくまとめたなと感心しました。
ネット界隈で、まどか☆マギカ佐々木淳子作品の関連については、古参オタク以外はそれほど指摘していないように思っています。このエントリーはまどか☆マギカ批判が目的ではなく、佐々木先生ファンとして、これを機会に彼女の作品を布教しなければ!という気分で書いております。

  • 那由多
    • 古来より地球を監視していた異星人が、ジャルンというアイテムを地球人に与えて超能力者に仕立て上げ、地球人同士を争わせたりして、アレコレする超能力系マンガです。
      異星人勢力に反旗を翻した主人公たちは、次々と倒れていきますが、最後に生き残った主人公が監視者の欺瞞を見抜きます。少女漫画雑誌に連載されていたとは思えない、ハードなSF作品です。
      余談ですが、この作品にはヒトが融合して完全体になる場面があります。フュージョン!です。この場面で「ふたりはひとりずつで寂しかったから、ひとつになったけど、ひとつになった魂はやはりひとりで、寂しさは変わらなかった」というセリフがあります。庵野がこれをそのままエヴァでパクったわけですが、彼はきっと無意識でそれをやったと思います。
  • ダークグリーン
    • 佐々木先生の代表作です。イケメンファイターと、可愛いツンデレ男子のコンビを中心とする主人公たちが、夢の世界に巣食う魔物と戦う、ヒロイック・ファンタジーです。
      お察しの通り、このコンビがBL的な絡みを繰り広げ、そっち方面でも人気になりました。夢の世界では、登場人物はみんな自分が理想とする姿に変身するので、ほとんどコスプレバトルのようになります。たとえば、イケメンファイターは現実世界では冴えない浪人生ですし、ボンキュッボンなセクシー娘が現実世界ではごつい男性だったりします。
      こんな感じで、最初は楽しいファンタジーなのですが、夢の世界や魔物の正体がわかってくるにつれ、重い運命が登場人物にのしかかってきます。シリアスな展開ながら、しっかりとしたエンタメになっていて、切ない余韻を残す終わり方を含め、非常に評価が高い作品だと思います。最終回が泣けますね〜。
  • ショート・ツイスト
    • 主人公男女2人と、彼らを殺そうとする殺人者が織りなす短編です。殺人者が次々と仕掛ける罠を、主人公たちが巧みに排除していく様子が、あるときはサスペンス調に、あるときはコメディ風に描かれます。実は主人公たちは、タイムリープ能力を持っていて、殺人者の罠は最初からお見通しなのでした。
      ところで、この殺人者は記憶が欠落しており、なぜ2人を殺したいのか、自分自身で理由がわかっていません。ただひたすら、殺さなければならないと思っているのです。なぜなのか。クライマックスでその謎が明かされるのですが・・・
  • 霧ではじまる日
    • 1日を何度も繰り返すタイムパラドックス(ループ)もの。シリアスな「うる星やつらビューティフル・ドリーマー」と言えばわかるでしょうか。いまとなってはありがちなアイディアですが、当時(1982年発表)は、かなり衝撃的でした。ループから抜け出してなんとか妹を救おうとする兄のキャラ造形は、ほむらそのものです。

那由多における監視者がQB、ジャルンがソウルジェムに相当します。ちなみに、ジャルンで超能力者になった人がジャルンを外すと、ソウルジェムを捨てるよりひどい目に遭ったりします。ショッキングです〜。
あと、何度もループする時間軸の中で、無自覚に過ごす人たちとそれに抗う人が交錯するストーリーは、霧で始まる日や、ショート・ツイストとまったく同じ構造です。霧で始まる日は、なんだかんだでループから抜け出せるのですが、それゆえ悲しい結果がもたらされます。ショート・ツイストはハッピーエンドと見せかけたバッドエンド(ループから抜け出せなくなる)で、初めて読んだときは思わず「うまい!」と唸りました*1
ともかく、ダークグリーンは本当に名作なので、未読の方はぜひ読んでいただきたいです。男性にも女性にもおすすめです。

それにしても、ピンク色の髪の魔法少女が出て来たら、ドス黒い展開に陥るのがお約束なんだなと、痛感いたしました。あとマミちゃんは黄色だったけど、声優さんの雰囲気を含めてクリーミーマミを連想させましたw

*1:うる星やつらビューティフル・ドリーマーは、このジレンマを劇中で指摘している点が白眉だと思います。つまり、人はループ世界に居続けるほうが幸せではないか?という考え方です。