見てきました。
まず「劇場版 シドニアの騎士」というタイトルですけど、お話はTV版と同じ流れですし、来月からTVアニメ2期も始まりますので、「その1」とか「:序」とかつけたほうがいいんじゃないかと思いました。
原作に関しては、弐瓶先生らしからぬ王道ロボットアクション漫画ということで、さすがの私も驚きを隠せませんでした。アニメ版は10代への露骨な媚があるので、それに輪をかけてる感があります。このあたりは、たぶん計算してやってますが、要はお子様向けの、ウエルメイドなエンタメ作品です。ただ、主人公のキャラ描写が希薄なことが、重大な欠点としてあげられます。チート性能の戦闘兵器という物理的特性と、ハーレムの中心にいるという状況以外、つまり性格とか考え方がほとんど描写されないので、主人公に感情移入しづらい演出になっています。わたしは、こういうスタイルのドラマがあまり好きでないです。でも明らかに大画面向きなので、映画館で見るべきでしょう。
ということで以下は、ネタバレ全開になりますのでご注意を。
なお、画像は劇場限定ブルーレイ特典のサイン入りカードです。鑑賞特典は、メインキャラの遺影イラスト(弐瓶先生談)です。この映画ってチケットに2000円も取られるんですが、間違いなくお金がかかっていそうな特典なので、貰わないと損です。
- 作劇
- 一見さんお断りなようで、そうでもなかった。
- 説明的なカットがバッサリと切られているので、アニメ1・2話(原作第1巻)あたりを見ていないでいきなり映画を見ると、意味不明だらけになると思うのですが、その感覚がたぶんすごく楽しいと思います。
- 正直なところ、映画版くらい情報不足な方が弐瓶作品っぽくていい。TV版や原作は、回想シーンでどっさりネタばらしが入ってくるので、興ざめします。回想でなく、谷風が知り得た情報として描いてほしいんですが、演出的にそういう技量がないらしく(ブツクサ・・・w)
- 谷風と星白の2人に焦点が当たり、ほかは基本的にスルーしたことで、ストーリーとしてはきれいにまとまっています。
- とはいうものの、星白は途中退場するので、イザナ、纈にバトンタッチして三角関係になるのは同様です。
- サービス関係
- 温泉シーン追加ありw
- ストーリー上の必然性がまるでない、見え見えなファンサービスです。
- 緊張する場面が連続するので、息抜きとしてはよかった。早々に切り上げて、落合の件に移行するのは上手いですが、切り上げ方が強引ですねw
- 艦長のサービスカットありw
- 全体的に、おっぱい強調しすぎですw
- 温泉シーン追加ありw
- 画面
- 弐瓶作品を大画面で見るという、ファンの夢が叶います。想像以上です。
- 色調をTV版と変えている場面があります。TV版を見ていると、ドキッとします。これは必然性があってよかった。
- サウンド
- よいオーディオシステムで聴くと、すごさがわかります。実は映画館では低音が再生しきれない、ものすごく低い音が入っています。ちゃんと再生すると、空気が震えます。怖いです。ブルーレイを再生していると、わが家のオーディオシステムのチェックをしているような気分になってしまいます。
- その他(カットされたシーン関係)
- のりお関係のエピソードがバッサリ切られたのだけど、うまいこと場面を残していて、御曹司だけど努力していることや、プライドがすごく高いことなどは伝わってきます。
- 四天王はフラグすら立てさせてもらえず。海に出かけるシーンは、前後を含めてすべてカットされました。今回の映画で割を食った人たちですね。
- 仄姉妹については、何の説明もなかったので、初見の人にはたぶん意味不明です。
- ラストシーンについて
- 最後はTV版と同じく、エナ星白がいなくなった場面で終わりますが、消えた理由は原作を読んでいないとわかりません。これが2期への伏線です。
- 苦言
- あの主題歌が流れなかった。映画館で歌うのを楽しみにしていたのに。憤怒の極み。