ロルティのショパン集第3巻の巻の巻

シャンドスのLouis Lortie plays Chopinシリーズの3つ目です。
今回は、ノクターン即興曲という組み合わせを4つと、ソナタ3番。ピアノはファツィオリ(F278)です。
例によって、調性に留意した曲順で、その件については本人がライナーにも「調性には気をつかって、関係が近い調で並べました」と記載しています。

内容ですが、ファツィオリっていいな〜で終わりです。もうピアノの音色だけで最高。参りました。まさしくドルチェな、甘くとろけそうな音色。この音色で、節度のある折り目正しい演奏というバランス感覚が憎い。
数多くの音色のよいピアノを聞いてきましたが、このアルバムのピアノは本当に素晴らしい。自分は音色フェチなので、こんな音色で演奏されたら、もう細かな演奏内容などどうでもいいのですが、それだとレビューにならないのでもう少し書きます(笑)

ピアノ自体がよく響き、共鳴が美しいので、ロルティの演奏はそれを生かす方向性です。テンポを気持ち遅めにして、ピアノが響くのを感じてから次に行くイメージ。また、多くのパッセージの歌い方がたっぷりとしていて、いつもより余裕があります。巨匠って感じがする(笑)。デュナーミクは厳密だし、ソナタ3番の第二楽章、第四楽章などはかなり遅めの演奏なのですが、打鍵のみならず鍵盤を離すタイミングまでしっかり揃えるとか、ディテールの制御は相変わらずレベル高いです。