機動戦士ガンダム THE ORIGIN I / II の巻

IもIIも映画館で見てるんですが、Iのときにレポートしてなかったので、まとめてやっつけます。

Iは丁寧な描写が多く、すべての登場人物がしっかり描かれていてとても良かったと思います。
しかしIIは尺が不足して駆け足展開で、登場人物の描写がいまひとつでした。
両作とも、キャスバルが強すぎなのが問題だと思いました。子供らしい弱さ脆さがなく、チートなキャラとして描かれています。ファーストガンダムでは「若さゆえの過ち」をやらかしていたりして、優秀だけと完璧ではないキャラで、そこが魅力だったんですけどね。
なお、アズナブル氏の実子のシャアと、エドワウ(キャスバル)が瓜二つという設定がジ・オリジンのポイントなのですが、実際にキャラが動くと違和感しかなかったです(汗)。

そのほか特筆すべきこととしては、IIでようやく旧作の音楽(再録)を使用してくれました。
ヤマト2199が端的に示すように、ノスタルジーを演出する上で、音楽はとても重要だと思います。こういうことを含め、ジ・オリジンはオールドファンに対するサービス精神が、少々不足していると思うのです。
IIは起承転結の承にあたる部分で、これといって大きな見せ場もなく、2回、3回と見たいような仕上がりにはなっていなかったです。ありていに言って、中だるみですね。作り手の想いがいまひとつ伝わってこない。それはひとえに尺が足りなくて、展開が早すぎるからなんですけど、エピソードの配分を考えていただきたかったです。
IIは開発中のモビルスーツの運用試験の場面が出てきて、この描写がとてもいいんですけど、G(重力)がある状況だったのに違和感を覚えました。最初から地上戦を想定していたんでしょうか。そのあたりの説明も欲しかったですね。

次回のIIIではストーリーが大きく動いて、キャスバルシャア・アズナブルになりますので、いやが上にも盛り上がるでしょう。
IとIIを通じて、ランバ・ラルと、ザビ家は、とてもうまく描けていると思いました。またIIにおいて、登場場面が少ないにもかかわらず、しっかりと印象に残るギレンとキシリアの存在感はさすがです。

ジ・オリジンは、60分強の4部作ということで、1クール12話のTV化を意識していると思います。なので、ヤマト2199のほぼ半分の長さということになります。
ブルーレイの売れ行き次第で2期、つまりファーストガンダムのリメイクもあると思いますが、現時点の売上は各巻ともヤマト2199をかなり上回っていますので、行けるのではないかと思います。