内田光子ピアノリサイタル(2015年11月10日)の巻

昨年の演奏会ですが、感想を書いていなかったので備忘録的に残しておきます。

曲目
シューベルト 即興曲集 op.90
ベートーヴェン ディアベリ変奏曲

シューベルトベートーヴェンも、かなりユニークな演奏でした。
シューベルトは感情表現の起伏が非常に大きく、ドラマティックな演奏解釈でした。op.90-2と90-3は自分でも弾いたことがありますけれど、表現の幅が桁違いで驚きました。
このくらいやってもいい、このくらいいやらないと伝わらない、と改めてピアノ演奏の奥深さを知りました。

ディアベリ変奏曲は面白い解釈で、最初のテーマから「まあ、なんて平凡でつまらないテーマでしょう!」という感じで、茶目っ気たっぷりなのです。「ほらこの伴奏、うるさいでしょう?ガンガンガン!」みたいな演奏で、内田さんも楽しそうです(笑)。
そんなつまらないテーマがどんどん姿を変えて、最後は壮大なフーガになり、静かなアリア風の変奏で幕を閉じます。各変奏のキャラクターの表現もバラエティに富んでいて、長丁場でもあっという間に終わってしまいました。

なお、後半は皇后美智子さまがご臨席されました。昨年は体調がすぐれないという報道が多く、当日もおいでになるか心配だったのですが、お元気そうでした。