Roland SYSTEM-8がほしいの巻

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ローランドの新しいシンセです。値段的にコンシューマでも手が届く製品ですが、自分はACB=オモチャと考えていますので、だいぶ高いオモチャではあります

boutique JP-08はオモチャなのに使いにくくて実用にならないという点では、失敗した買い物でした(反省)。しかしSYSTEM-8は、ようやく実用になりそうなオモチャなのです。試弾してきたので、特徴などを簡単にまとめます。カタログ的な機能性能は、ローランドのホームページを見てください。

<ルックス>
ユニコーンガンダムバンシィの覚醒モードみたいな、黒い筐体にグリーンのLEDがたまりません。わたしリディ大好きだから、もうこの外見だけで欲しい。これが最大の理由です。カラバリでホワイトが出たら、リディバナをセットで並べるしかないんじゃない?(笑)
NT-D発動のように赤く光るシンセ(JD-XA)もあるんですけど、最大の売りであるアナログ部が4音ポリしかない上にお値段が高価で、明らかにプロ用ですね。

<出自の件>
JP-8000 → GAIA SH01 → SYSTEM-1 → SYSTEM-8(いまここ)
おそらく上記の流れにある製品です。その証拠にSYSTEM-8にはJP-8000のトレードマークであるSuper SAWを使った音色が、プリセットの1番に入っています。自分はJP-8000やGAIAのフィルターがどうにも気に入らなかったんですが、本機はv-synthの技術を応用したと思われるキレのよいフィルターに生まれ変わっています。

<パネル構成>
ボリュームやスライダーやスイッチといった形で、音色作りに関係するほぼすべてのパラメータに一発でアクセスできます。操作性はすごくいいし、いじっていて楽しいです。
なお発光には意味があって、有効なパラメータのみが光るようになっているそうです。なので、Jupiter-8モードやJUNO-106モードで使うときは、光っている部分が減るそうな。

<サウンド>
JP-8000と、INTEGRA-7のSuperNaturalアナログシンセの中間のような微妙なサウンドです。すごく押しが強いわけでもないし、厚みがあるわけでもないので、メインのシンセとして使うにはちょっと弱いかなと思います。ただフィルターのキレがいいのと、ノイズが付いたことと、モジュレーションが豊富になったことで、音作りの幅はすごく広がりました。ノイズ混じりのPADとか、80年代~90年代初頭っぽい音色が簡単に作れます。

<自動演奏機能>
アルペジエータやステップシーケンサが充実しています。
また自動演奏に対して人間が割り込むことを想定した設計になっているのがポイントで、DJ的な用途を目的とするユーザーも取り込もうとしていることが伺えます。
ただサウンドにパンチがないので、ブリブリしたEDMっぽい音色は得にくいと思います。そういうのをやりたかったらJD-XAにしなさいという感じ。

<細かなこと>
LFOは最近の製品らしく高速モジュレーションが可能になっていて、ランダム波形を高速にするとノイズモジュレーションになります。
・ADSRのAを最小にしても、クリック感がありません。これはSN音源にも通じる欠点だと思います。立ち上がりの良い音が欲しかったら、JD-XAを買えということなのでしょう。
・フィルターエンベロープデプスなどが典型的ですが、つまみ一つでプラス方向~マイナス方向まで連続的にコントロールするようになっているパラメータが多いです。
・ノイズジェネレータがあって、ホワイトとピンクが切り替えられます。自分は低域成分が多いピンクノイズが好きなので、地味に嬉しいところです。
・鍵盤がいまひとつ。アフタータッチはなくてもいいんですが、鍵盤の長さが短かったり、沈み込みがいまひとつ足りないなど、コストダウンしすぎなのが気になりました。
・マスターキーボード機能(外部出力のMIDIコントローラを自由にアサインする)がないので、ファームアップで付くといいなと思いました。