ガンダムTHE ORIGIN VIを見てきたの巻

細かなところで気になることがあったので原作漫画を読み直して確認してみましたが、原作通りでした。どこが気になったかと言うと、地球連邦の首脳陣がオフレコの状態で戦争継続を確認する場面で、それわざわざ口に出していうか?というようなセリフを、公然と話していたからです。原作だとサラッと流しているので気にならなかったけれど、実際に画面になってしまうと、ものすごくわざとらしいし、嘘くさいですね。

人間は戦争をしたい生き物だ、ということをジオンと地球連邦の双方の首脳が口に出していうんですけど、ジオンのほうはキシリアマ・クベの歌舞伎だからまだいいと思いました。地球連邦のほうは本当の政治の話なので、ああいう言い方で口に出したらドッチラケです。でも口に出させずにはいられないのが、安彦演出なのです。そしてこういう芝居を私は好かぬ。

大好きなキシリア様のセリフを借りて批判させていただきました。

富野氏はガンダムGのレコンギスタで同じこと(人間は生来争い好きな性格であるというテーゼ)を状況描写で表現していたので、安彦氏とは対照的です。Gレコではクンパ・ルシータという狂言回しのようなキャラを使って、戦争好きなキャラクターたちを煽っていたんですが、尺が足りなくて使いきれなかったのは惜しかったです。

安彦氏のようにセリフで表現すると尺も使わないで済むし、見ている側にも伝わりやすいということが改めてわかりました。でもこういう演出からは、セリフで言わないと視聴者は理解できないだろう、という製作側の意図も見えるのです。あまり視聴者をバカにしないでいただきたいものです。