ポリコレに配慮したらしいヴェノムの前半部がいまいちだった件の巻

安定のタイトルからネタバレしていくスタイル。

寄生獣のパクリと言われているヴェノムですが、紛うことなきパクリでした。ヴェノムのほうが登場が早いとかそういう問題ではなく、ストーリーとテーマ性が完全にパクリ。パラサイト同士のバトルもそっくり。

ただ全編に渡って説教臭いテーマ性が支配した寄生獣と比較すると、ダメな人類をなんとかしなくちゃいけないとか、虐げられた人たちを救おう、みたいな正義のヒーロー気取りの偽善者臭しかしない展開は前半部のみで、ヴェノムが主人公に対して「いま元カノにXXしないとお前は一生後悔するぜ」とアドバイスをしたところから、いきなりバディものに転換します。ここからが超アツい展開なんですけど、ここに至るまですでに1時間以上経過していてダルかったです。大企業=悪というステレオタイプな認識とか、設定がザルだとかいろいろ文句をつけたいところもありますが、おそらくなんにも考えてないと思うので、いちいち突っ込むのは無粋でしょう。後半になると、登場人物は誰一人としてそんなこと覚えていないです。

前半と後半で印象が変わってしまうのは他にも原因があります。いささか穿った見方になりますけど、前半はポリコレに気をつかいすぎではないかと思います。前半で伏線が置かれたもう1人のパラサイト(アジア系老女ほかいろいろ→白人少女→ラスボスと渡り歩いてポリコレ要件をクリア)の描写に時間を使いすぎです。これがあったので前半の1時間がダルくなってしまいました。

まあそんなわけで、ポリコレ対応で脚本をいじると流れが悪くなるよなあと痛感した次第です。あとエンディング中で挿入されるエピローグで最初の偽善臭いテーマを蒸し返したのは最悪だなと思いました。お説教されに映画館に来たわけじゃないと言いたいです。

ただ主人公とヴェノムのバディ関係はとっても良いので、バディものが好きな人は必見だと思います。いい感じのにブサカワ面の主人公のキャスティングは個人的に大当たり。