本格的に reface CS を使い始めたのでレビューを兼ねて機能紹介をします。
※まずはトリセツ(直リンク)
https://jp.yamaha.com/files/download/other_assets/5/438815/reface_ja_om_b0.pdf
12ページの波形/TEXTURE/MOD/LFOの関係表が超重要です。この部分が reface CS と他のシンセの大きな違いです。ディープなシンセオタクなら一読しただけで内容を理解できると思いますけど、詳しくない人はこのマニュアルを見ただけではチンプンカンプンだと思います。もうちょっとユーザーフレンドリーなマニュアルにできないものかとか小姑のような苦言が出てしまいますが、備忘録を兼ねてまとめておきます。
※OSCセクション
reface CS は2オシレータのアナログモデリングシンセですが、ユーザが波形を選択できるのはOSC1のみです。このOSC1で選択した波形によってOSC2とLFOの役割が自動的に変わり、その役割をTEXTURE/MODとLFOで設定するというのが基本的な流れになります。
- ノコギリ波(マニュアルだと「マルチソー」)
TEXTURE:サブオシレータ音量*1
MOD:SUPER SAW効果量(マニュアル表記を意訳)*2
LFO:OSC1のピッチ変調 - パルス(矩形波)
TEXTURE:OSC2音程(半音刻みで1オクターブ上まで)
MOD:パルス幅(Pulse Width)
LFO:パルス幅変調=PWM(Pulse Width Moduration)*3 - オシレータシンク
TEXTURE:OSC2音程
MOD:OSC2→OCS1変調量
LFO:OSC2のピッチ変調量(お約束) - リングモジュレーション
TEXTURE:OSC1ピッチ
MOD:OSC2ピッチ
LFO:OSC2ピッチ変調量
ドレミは演奏できない程度に音程感のないベルが真骨頂。 - フリケンシーモジュレーション(略してFM)
TEXTURE:OSC2音程*4
MOD:OSC2→OCS1変調量*5
※LFOのASSIGN
LFOのASSIGN(変調先)はOSC/ピッチ/フィルター/アンプが設定できます。LFOの波形は固定でサイン波っぽいです。ちなみにDEPTH、SPEEDとも相当にエグい領域に踏み込んでいます*6。
- OSC(要注意)
上記にまとめたように、OSCの波形によってLFOのデスティネーション(役割)が変化するので注意が必要です。LFOのASSIGNにOSCを選択するという操作は、ピッチを揺らすビブラートの設定をするのではなく、Prophet-5でいうところのポリモジュレーションをONすることになります*7。パラメータの接続が不可視な状態で勝手にポリモジュレーションされるので、最初のうちは混乱しました*8。ここに「LFOをビブラートだけには使わせないぜ!」という意識が見えます。 - ピッチ
普通のビブラートです。LFOをOSCやフィルターの変調に使っている場合は、ビブラートはエフェクター(コーラス・フランジャー)でなんとか代用可能です。 - フィルター/アンプ
こいつらは普通ですが、超高速LFOなのでリングモジュレーションみたいなこともできます。
※応用篇
- ホワイトノイズ
【OSC】FM/TEXTURE:最大/MOD:最大
【LFO】ASSIGN:OSC/DEPTH:最大/SPEED:最大
LFOでOSCを変調しないといちおうドレミで演奏可能な音になります。reface CSのFMはDXとはニュアンスが違っていて、nord(初代)っぽいピーキーなサウンドが出せます。この感じから、ちょっと古いバーチャルアナログという印象を抱く人もいるらしい。 - 音色を濁らせる
【LFO】ASSIGN:FILTER/DEPTH:小~/SPEED:大~最大
フィルターを高速でモジュレーションすると倍音に影響します。本当はOSC2やノイズでモジュレーションしたいところだけど代用としては十分かと思います。素の状態だとザラッとしたニュアンスになりますので、コーラスやフランジャーでなじませるとよいです*9。
※サウンドの印象など