宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち 最終回で起きたことを解説するの巻

私の職場はアニヲタが多いです。年齢層も幅広く、高校時代に森田宏幸氏と自主アニメ制作をした筋金入りの人*1や、メガゾーン23で主題歌を担当していた宮里久美さんのおっかけをしていた世代から、ヤマト2199で初めて宇宙戦艦ヤマトシリーズを見た人までさまざまです。

彼らも宇宙戦艦ヤマト2202を見ていたのですが、最終回の内容がわからないという意見を聞きました。自分も初見のときは意味不明で何度も見ていくうちに理解できましたので解説したいと思います。

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1.最終回前の状況
第25話「さらば宇宙戦艦ヤマト」において、ヤマトの臨界寸前の波動エンジンがトリガーとなってテレサを召喚します。
その前にテレサによって山本が隔離されていますが、たまたまヤマト=臨界寸前に至る前の波動エンジンに近いところ山本がいたので、なんとか彼女だけ救うことができたと考えられます。そしてテレサとヤマトは滅びの方舟を消滅させますが、テレサがその崩壊エネルギーとヤマトそのものを高次元へ隔離することで、地球は救われます。

2.最終回の状況
(1)ボロボロのヤマトが時間断層に帰還します。
(2)銀河のCRS*2を修理します。ヤマトも修理します。
(3)銀河のCRSでヤマトを高次元世界へ打ち出します。
(4)ほどなくして時間断層は金色の滝となって崩壊し、その中から古代と雪を乗せたヤマトが出現します。
(5)地球よ、ヤマトは…

3.解説
(1)ヤマトが時間断層に戻ってきた理由
テレサによってヤマトは高次元世界に隔離されましたが、高次元世界では実体を持った物質は存在し得ないのでただちに排出されたと考えられます。地球で6ヶ月後だったのは時間の流れる速度が違うからです。高次元世界には一瞬しかいなかったので山本は餓死することもなく帰還しました。通常区間でなく時間断層に戻ったのは、真田さんの説明通りそこに次元結節点があったからです。次元結節点はワームホールのようなものだと考えられますが、ヤマトという大きな物体が通れるくらい巨大で、なおかつ可視化されているのがポイントです。(量子力学で扱うワームホールは理論的な存在で可視化されません)
そしてこれで時間断層の仕組みも説明がつきます。つまり、時間の進み方が極端に遅い高次元世界と接しているので、時間断層内では時間の進み方が早くなるのです。作用と反作用の関係です。
(2)古代と雪が戻らなかった理由
古代と雪も実体を持ったまま高次元世界に隔離されたのでヤマトと一緒に排出されそうなものですが、意識(ココロ)が戻りたがらなかったので実体も戻りませんでした。
この部分は極めてヤマトらしい展開だと感じます。よくあるアニメや漫画だと肉体だけ現実に戻ったものの意識は戻らないという展開になるのがお約束ですが、ヤマトだからそうならなかったと思います。
(3)金色の滝の出現場所について
本来は、時間断層が出現するきっかけとなった場所、すなわち沖田の魂をコアとしたCRS発動がなされた場所に出現するのが妥当だと思います。もしくは、滅びの方舟もろともにヤマトが隔離された場所です。しかしCRS発動から3年以上経過し、ガトランティス戦役からも半年以上が経過しています。その間に太陽系も移動しているので、地球の近傍に出現するわけがないのです。ということで、これはファンタジーと捉えましょう。
(4)芹沢の涙の理由を勝手に考察するよ*3
最終回で芹沢が「君たちが羨ましい」といった意味を考えてみます。
芹沢も感情的には古代と雪を救出したいのだけれど、立場上から時間断層の存続を訴えざるを得ません。芹沢は常にそういう選択をしてきた人だと思います。そして国民投票の結果、時間断層は消滅したけれど古代と雪が救出されました。
つまり、自分が本心として望んだことがようやく実現できたこと、そして自分自身はその選択をすることを許されないという葛藤から開放された安堵の気持ちが、あの涙になったのだと思います。
最終回での感動ポイントが「Great Harmony」の場面から「大いなる愛」に変わり、いまは芹沢の涙に変わっております。「ヤマトより愛を込めて」の歌詞にあるように、冷血を貫いた芹沢の胸にも愛が蘇った、ヤマトらしいロマンティックなエンディングだったと思います。

*1:このブログに何度も登場している真田さん

*2:コスモリバースシステム

*3:これが一番書きたかったことだったりする