Vladarさんはブラームスの専門家というイメージがあったのですが、ショパンとかラヴェルも弾いていて、プロコフィエフのピアノソナタ6・7番やスクリャービン2番まで弾いていたというのがこのCDです。
ロシア系のピアニストとはかなり解釈が違っていて面白かったです。
ロシア人は主題動機の強烈さを印象付けようという意識が強く(おそらく伝統的にそういう解釈で教育されているのでしょう)、 極めて明確で尖ったアーティキュレーションで演奏されることが多いのですが、Vladarはより長いスパンで動機を捉えていて、さらに速めのテンポを採用することで流麗なフレージングになっていて、リリシズムのようなものが感じられます。テンポの速さはロシア勢以上で、この難しい曲をよく弾けるものだと感心します。流れが良いので聞きやすく、しかし構成面の表現も抜かりなく質の高い演奏だと思いました。
スクリャービンの2番も同様の傾向ですが、曲調を反映してよりロマンティック寄りな弾き方になっていてこれもよかったです。
ところで、一昨年あたりはほとんどCDを買わなかったんですが、昨年からまたちょくちょく買うようになってしまいましたね。職場のそばにディスクユニオン(中古CD屋)のクラシック店が復活したので、月1くらいで通ってしまっています。