TV版ラスト5話予習の上で見てきました。
やはり一見さんお断りなところは否めないものの、ファンムービーとしては100点の出来栄えだと思いました。ただし普通の映画としては脚本や構成に問題が多く、せいぜい50点くらいです
まず、TVアニメ4話分くらい*1の内容を2時間かけてガッツリやるので、テンポが悪いです。やたらと回想シーンが長いとか、意味不明なギャグを入る演出とか、この作品の良くない部分が集約されているされているとも言えます。
シナリオ面では序盤の煉獄の使い方が極めて稚拙なのが問題です。
劇中において彼と主人公の関係性描写が希薄なため、この映画自体が「すごい先輩に出会えたけどすぐ死んじゃった」みたいな単純な流れになっています。こういうところでは、アニメオリジナルの補完を入れていいと思います。
たとえば、煉獄はTVアニメの終盤において主人公より先に無限列車の偵察に出ています*2。そこへ主人公たちが合流するところから映画がスタートするのですが、「先に偵察に出ている」という情報提示が曖昧なので、一見さんにはわかりにくいのです。そこで、いったん煉獄を偵察から戻して主人公たちに現状説明をする体裁で観客に対しても作品背景を紹介した上で、改めて主人公たちと一緒に鬼退治に向かう、という流れにすれば、一見さんにもわかりやすい自然な導入になるのです。
下弦の壱についても同様で、このキャラこそ回想シーンを入れるべきなのに、何も背景説明がないため雑魚的な変態にしか見えないのが惜しいです。