Prophet-5やREPRO-5の使いこなし:ポリ・モジュレーションの巻

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Poly-Mod

この画像はProphetだとPoly-Modというセクションに相当します。ProphetやREPROのこのパラメータの使い方がわからないという人がいるので、備忘録を兼ねてまとめておきます。

1.何ができるのか?

電子回路的に説明するとSOURCEの出力をDESTINATIONの入力に結線することができます。

2.使用例
(1)フィルターエンベロープ(一番左のノブ)
・FREQ Aに接続する
フィルターエンベロープでOSC-Aのピッチ(音程)を変化させます。シンセブラスなどで音が出る瞬間に半音くらい下の音程からしゃくりあげるようなニュアンスにするテクニックがあまりにも有名です。ただこれは1980~90年代に使われすぎた影響でダサい印象を与えかねないので要注意です。
オシレータシンクONの状態で使うと、音程はOSC-Bの音程と同じ状態を保ちつつ、倍音成分がエンベロープに沿って変化する独特な音色になります。これはProphetならではのサウンドで、リードを弾くときに使う人がいますけど、自分はそういう恥ずかしい真似はできません。そもそもシンセでリードを弾くこと自体が恥ずかしいと思ってしまいます*1
・PW Aに接続する
OSC-AのPW(パルス幅)を変化させますので、これもエンベロープに沿って倍音成分を変化させることができます。琴などの撥弦系や、ピアノ系の音色を作るときに有効です。
・フィルターに接続する
フィルターエンベロープはもともとフィルターに使うものなので、2重で適用してもあまり意味がないと思いがちですが、オーバードライブ的な効果になってノイズを音源にすると爆発音が作れます。
(2)OSC-B
・FREQ Aに接続する
いわゆるFM(Frequency Moduration)になりますので、鐘のような非整数次倍音を作り出すことも可能です。このときOSC-BをLO-FREQモードにして、なおかつキーボードトラッキングをOFFにすると、OSC-BはLFOと同等になります。そこへ上記のフィルターエンベロープを混ぜることで、複雑なピッチ変化を与えることができるようになります。
・PW Aに接続する
OSC-BをLFO的に使用して、PWMのために利用するのが一般的です。
・フィルターに接続する
キーボードトラッキングONの状態でフィルターに接続すると、エキサイターを使ったような音色変化が得られます。ProphetやREPROはフィルターのキレが良く、倍音が減りすぎてその結果として音色がこもりやすいという弱点があるのですが、そのようなときにこのモジュレーションをちょっと上げるとギラッとした倍音を付加し、なおかつ音圧が上がったようなニュアンスをもたせることができますエフェクターを使うことなく音圧を上げて存在感を増すことができるので非常に有用です。自分はこの機能をしばしば使います。坂本龍一さんも多用していると思います。

*1:小心者。