ねんがんのProphet-5を入手したので備忘録を兼ねて使いこなしをメモしていきます。今回はWHEEL-MODによるノイズモジュレーションです。
WHEEL-MODはメインパネル左下のセクションになります。
モジュレーションのソースとしてLFOとNOISEを使うことができます。
LFOでオシレータのFREQをモジュレーション(変調)すればビブラートになり、PWをモジュレーションすればPWMになります。これはProphet以外シンセでも対応している機種が多いです。
ノイズでオシレータやフィルターを変調できるのがProphetの際立った特徴になります。ノイズで変調することで、サウンドにザラッとしたテクスチャを付与することができます。これはノイズをそのまま鳴らしたときとはまったく質感の異なる音色です。ノイズは波形がランダムなので、LFOによる変調と違って周期性のない変調になるところも大事なポイントで、変調感がめまぐるしい速度で変化したり、音程が微妙に調子っぱずれになるなど、面白い効果をもたらします。
WHEEL-MODは、名前の通りモジュレーションホイールを操作することで変調の深さをコントロールします。リアルタイムにホイールを動かすことでより効果的になります。
ちなみにYMOのBGMというアルバムにおいて、坂本龍一さんが関わった曲でノイズモジュレーションが多用されています。
- Music Plans
歪んだシンセソロ(歪感がまさにノイズモジュレーション) - Happy End
最初から最後まで鳴ってるノイズまじりのシーケンス音 - 1000 KNIVES
Aメロ、Cメロ(ノイズモジュレーションと、普通のノイズを混ぜている) - U・T
中盤から登場するストリングス系の音色。ザラッとした質感はフィルターをノイズモジュレーションすることで作り出します。 - Camoufrage
主メロ(これは誰でも分かるでしょう)
なお戦場のクリスマスのメインテーマのイントロで三連符で鳴っているフレーズもProphet-5の三角波をノイズモジュレーションしたものです。このサウンドをどうやって作ったのかずっとわからなかったんですが、実機を入手して謎が解けました。
Prophet-6にはWHEEL-MODセクションはなく、その機能がLFOセクションに統合されています。LFOのランダム波形を最高速で使うとノイズになるので、ノイズモジュレーションが可能ですし、PWMもできるんですが、1つのセクションで賄うため自由度は劣ります。ただ、このような機能をLFOセクションに統合するのはシンセの設計としてはむしろ一般的で、Prophet-5のようにノイズモジュレーションを独立させている機種のほうが珍しいです。