ブライトの憂鬱 竹宮恵子(全2巻)

「私を月まで連れてって」の続編とあっては買わないわけにはいかない。しかし20年も経過しているのに、あの当時の絵が果たして描けるのか?と不安があった・・・というのはウソ。竹宮恵子なら全く違和感なく作り上げるだろうと期待して購入して、結果はやっぱり期待以上であった。絵はもちろん、キャラクターの描写が素晴らしい。特に新キャラかつ主人公であるブライトの心理描写、性格描写などはものすごいレベルで、設定段階から相当に細かく詰めてあることが想像できる。ダン、ニナ、おヤエさんといったおなじみメンバーは言うに及ばす。20年間のタイムラグをあっさりと吹き飛ばしてしまうほど、前作からそのまま連載が続いている感じのする漫画である。古きよきSFに対するノスタルジーも健在。火星の地球化なんて話を漫画で読んだのは「たんぽぽ惑星」以来じゃないかなあ。いずれにしても、必読本です。