発表会終了&英雄ポロネーズが難しい(と思われている)理由の巻(2)

発表会が終わりました。演奏はまずまずだったと思うのですが、いつものレッスン室と違って広い部屋だったので、ピアノの音がどんどん散ってしまい自分の弾いている音が聞きにくかったです。ピアノ自体の鳴りはよく、他の人の演奏を聞いている分には相当に音量が出そうだったことと、高域がかなり刺激的で不用意に弾くとキンキンしそうだったので、適度に抑えつつ、という感じでまとめました。初中級者の方が多かったのですが、みなさんしっかりさらっていて偉いと思いました。私一人だけとんでもない大曲を弾いてしまい、申し訳ない気持ちでいっぱいです。「出だしから他の人とは全く別次元だった」「とても華やかでよかった」とお褒めの言葉をいただきましたが、ふふふ、実はそう聞こえるように演奏構成上のワザを使っているのです(笑)。

英雄ポロネーズが難しい(と思われている)理由の巻(2)

全体が難しいわけではないのですが、局地的に弾きにくかったり、ミスしやすい危険なパッセージがあり、そういう箇所を含めインテンポでザーッと弾こうとすると、どうしてもミスタッチが減らずなかなか仕上がりません。そこで今回は、難しいパッセージではその手前から意識的にテンポを落として、「ここはじっくり濃厚にお聞かせします」というニュアンスを作りました。慌てないので精神的余裕もできますし、演奏表現のレベルが上がって、全体的な仕上りがよくなりました。具体的には、以下のような工夫をしました。
序奏はテンポ感を確立するのがとても難しい上に、最初から飛ばしてコケると立て直しようがない=ミスが許されないのです。そこで「おそるおそる」という感じで始めて、徐々に元気が出てきて一気に主部につなぐ、という方針を取りました。これはかなりカッコいいと思います。また、最初の主部はいきなり大音量にはせず、少し控えめです。あとは駆け上がりのパッセージは意識的にゆっくり弾くとか(速く弾いてもなにやってるか聞きとってもらえない)、アルペジョや装飾音もゆっくり弾くとか(テンポが遅めのときは速く弾くとかっこわるい)、など、意識的に指の動きのペースを落としつつ、くっきりとした音色になるように確実に打鍵しています。トリオは割と得意なのですが、どちらかというと右手のレガート優先で弾きます。ここだけ高速なのもおかしいので。そのあとの展開部は、少し遅めにして長いディミヌエンドで十分に音量を落としてから、再現部につなぐと雰囲気がいいです。再現部を弾くころには、身体も暖まってよく動くようになるので、少しテンポを上げてバンバン鳴らします。しかしコーダは逆にテンポを落として、しっかりとポロネーズらしい弾むリズムを聞かせて締めるようにしました。これで印象が良くなるはずです。
この解釈に到達したのは一昨日だったのですが(苦笑)、先生からは「当初とはだいぶ変わっちゃったよね〜。すごく丁寧で、詩的な感じ。元気いっぱいな演奏もいいけど、こういうのもアリかな?」と、若干疑問を呈されたもののOKだったので、そのまま当日に臨んだ次第です。

というわけで・・・

今の私は真っ白に燃え尽きた灰です。もう立ち上がれない。バーンアウト(笑)。久しぶりの発表会だったので、練習も何もかも頑張りすぎました。革命やラプソディのときくらいの気軽な感じで望めばよかったです。演奏終了後のお茶会では本当にグッタリという感じで、久々にやっちゃったねえ、みたいな。まあでも、この曲を恥ずかしくないレベルで人前で弾けるようになれるとは思わなかったので、よくここまでやってきたと思います。先生や皆さんにも感謝です。でもおそらく年内いっぱい灰なので、テキトーにあしらってください(笑)。