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エヴァンゲリオン解説その3:西暦2000年までに起きたことの巻

その2でストーリーの概略を説明したので、詳細解説編に入ります。今回記述することついては本編中でほとんど説明がありません。弐拾四話のカヲル&ゼーレによる問答(追加カット)で「地球上の正統な生命体である使徒、そしてその始祖であるアダム」「偽りの生命体であるヒト、そしてその始祖であるリリスという台詞が入っており、これが核心を突いています。各種ゲームやパチンコなどで補足説明される形になっていますので、大まかにまとめてみます。

ジャイアンインパクト、もしくはファーストインパク
  • 数十億年前、銀河系に(ひょっとしたら全宇宙に)知的生命体は1種しかいませんでした。これを第一始祖民族と呼ぶようです。第一始祖民族はあまりにも寂しいっていうことで*1、銀河系のあちこちに自分たちと同じような知的生命を根付かせるために、生命の種を撒くことを計画します。生命の運び屋としては小惑星を利用しました。小惑星の中に球体のカプセル(大空洞)を作って生命の種を詰め、銀河じゅうにビュンビュンとばら撒きました*2
  • ばら撒かれた小惑星の1つが、たまたま形成途上だった太陽系第三惑星に大衝突します。これがジャイアント・インパクト、もしくはファースト・インパクトです。このとき衝突した小惑星は地球の引力に捕獲されて、衛星(月)になりました。ところが、地球に衝突した小惑星には、生命の種の入ったカプセルが2個入っていたのです。これがいわゆる「白き月」「黒き月」と呼ばれるジオフロントです。白い月には第一使徒アダムが、黒い月には第二使徒リリスが入っていました。2つもカプセルが入っていたのは第一始祖民族のミスなのか、はたまた策略かはわかりませんが、とにかく地球には生命の源が2つ到達したのです。そして、最初から1つの星には1つの生命体しか存在しえないようにプログラムされていました。アダム、リリスからそれぞれ生命体が分化誕生する可能性があったのですが、早々にカプセルから開放されたのはリリスの方でした。一方アダムの方は沈黙したままです。こうして地球にはリリス由来の生命が進化を始めます。
  • アダムとリリス由来の生命体の進化の方向は真逆といっても良いものにプログラムされていました。アダムからは永遠の命(なぜ永遠かというと、無限にエネルギーを供給できるS2機関=生命の実を持っているからです。)を持つ単体生命が生まれるようになっています。これが使徒です。使徒は無限の命を持っているかわりに、生殖や分化能力はありません。*3一方、リリスからは限られた命しか持たない群体生命が生まれました。こちらは有限の命とひきかえに生殖や分化能力を持っていました。これが進化してヒトになりました。*4
死海文書
  • 天文学的時間が経過するうちに、プレートテクトニクスによって白き月は南極に、黒き月は日本に移動します。ご都合主義とか言わないでください(笑)。南極は氷に閉ざされたこともあって、アダムは覚醒する機会を完全に失いました。
  • 実はこのような地球の状況を第一始祖民族は観察していたのです。アトランティス人とか、なんちゃら文明とか、いろいろありますよね。超古代文明。これみんな第一始祖民族なんです。ご都合主義とか呼ばないでください(泣)。リリス系列の生物が進化して知的生命体が登場してくる状況に至って「これはヤバイかも」と気づいた第一始祖民族は、警告書を残します。「南極にはアダムが封印されてるけど、そのうち覚醒するよ。アダム系列の生命体とリリス系列の生命体は共存できないようにプログラムされてるから、アダム系列の使徒が目覚めたらリリス系列の生命体、すなわち今の地球上の生命体はヒトを含めて全滅しちゃうかもネ!」みたいなやつ。これが劇中で裏死海文書と呼ばれるものになります
(時の経過)
  • さらに時間が経過して、ヒトが文化を持つようになりました。…
ゼーレ誕生
  • あるとき、人類は裏死海文書を発見します。最初は単なる黙示録と思われていたんですけど、そのうちに、これをより所にする集団が登場します。ゼーレです。
  • ゼーレは、たぶん19世紀までは宗教的なつながりを元にしたゆるやかな組合のようなものだったと思われます。組合ですから、相互扶助のようなことをやったり、文化活動や経済活動にいそしんだはずです。そして徐々に多大な財力を持つようになってきます。これにより20世紀初頭までは、ゼーレは経済的なユニオンとして力を蓄積してゆきます。もちろん、2回にわたる世界大戦などもうまく利用したはずです。そうこうしているうちに南極大陸が発見されます。裏死海文書などに書かれていた伝説の大陸が実在したこと、世界中のさまざまな歴史的文書が南極に未知の生命体が存在することを暗示すること、などからゼーレは急速に南極開発に注力するようになります。そして20世紀には南極のジオフロント(白き月)が発見され、時を同じくして日本のジオフロントが発見されました。
  • 白き月には人類を滅ぼすアダムがいるとされています。っていうか発掘してみたら実際アダムがいたので、びっくりしたゼーレは対策を急ぐことになります。エヴァンゲリオンで描かれる事象は、この辺から後の出来事になります。

*1:「寂しい」という感情はストーリー上で重要なポイントになります。

*2:生命の種を乗せた星を宇宙に飛ばすってのはイデオンに似てますが、元ネタは同じどっかのSF小説だと思われます。あまり気にしないことにしましょう。

*3:アダムから使徒が生まれた時期は特に明言されていませんが、セカンドインパクト以降と考えるべきだと思います。だからファーストインパクト以後、延々冬眠状態にあったわけ。

*4:弐十四話におけるカヲル君の台詞は、この情報を知っていてはじめて理解できるものになります。