八神純子 with 宮川彬良 シンフォリズミックコンサート@東京芸術劇場の巻

二部構成で、第一部は彬良さんと東京ニューシティ管弦楽団によるインスト中心~八神さん登場という流れ、第二部は八神さんの楽曲オンリーでした。

第一部のハイライトは、「無限に広がる大宇宙」インストからの八神さん登場でスキャット披露。スターシャのような淡いブルーの衣装が美しかったです。

2~3曲目でわかったんですけど、このコンサートは昭和時代のテレビ番組でやっていた歌謡ショーの超豪華版で、手作り&アナログ感が満載だったのがよかったです。具体的に列挙します。

  • オケ編成が豪華。12型のフルオケというのは、ちょっとありえない。ふつうにクラシックのシンフォニーが演奏できる編成です。一般的な歌謡ショーのオケは、この半分くらいの人数だったと思います。
  • シンセサイザーなし。
  • すべての楽器が生演奏で、コンピュータなし。
  • なのでインカムなし&コロガシモニター装備。

まさに頼れるのは自分だけというライブですが、演奏の完成度がものすごく高くて驚きました。一糸乱れぬアンサンブルでした。自分はどうしてもヤマト2199のオーケストラコンサートと比較してしまったのですが、今回のほうが圧倒的にアンサンブルの質が高かったです。手練のメンバーによる2199劇伴部隊は、悪く言えば寄せ集めオケでもあるわけでして、今回は常設オーケストラのアンサンブル力をまざまざと見せつけられた感じです。

彬良さんのアレンジも非常に緻密で、八神さんの歌をよく引き立てていたので、2202でも歌モノふくめすべて">彬良さんにやっていただきたい所存です(笑)。八神さんの歌はいわゆる喉からCD音源以上でした。彼女はピアノで作曲していると思うんですけど、それゆえメロディが器楽的なアルペジョで構成されたフレーズが多くて、歌うのが難しいはずなんです。でも全然問題がない。あとハイトーンボイスの人にありがちな低域の弱さがない。昔はちょっと弱かったと記憶しているのですが、歌い続けながら年齢を経ることで、下から上までしっかり伸びた声を獲得したと思います。そして当然キーはオリジナル。今年は大橋純子さんのコンサートにも行ったけどさ、この二人のジュンコはキーは変わらないし、歌は昔よりうまいんですわ(笑)。

おっと、長くなってしまった。
自分的にはアレンジと、オケの演奏、特に弦楽器の抑揚の付け方やアーティキュレーションが勉強になりました。良い演奏を聞かせていただいたので、自分自身も生き生きとした演奏を心がけたいと思います。あと東京ニューシティ管弦楽団がめちゃくちゃうまかったので、クラシックの演奏会も聞きたくなりました。

ユーリ!!! on ICE 第3話 「僕がエロスでエロスが僕で!? 対決!温泉 on ICE」 感想の巻

前半は練習、後半は練習の仕上げ+本番という構成で、ユリオ編(勝手に命名)を終わらせてしまいました。

まず構成について。
たった1話で練習から本番までやったら、そうとうな駆け足展開になるかもしれないと危惧していたのです。ですが、勇利の個人練習をカットして本番時に回想させることで、時間を短縮しつつ、視聴者に展開が省略された感覚を与えない演出になっていたところがよかったと思います。

次にユリオと勇利の演技についてです。
二人の演技は、プログラム内容が対照的なだけでなく、演技そのものも対照的に描かれていたのが面白かったですね。ジュニアから上がったばかりのユリオが、4回転を2回も飛ぶプログラムを最後までしっかり滑りきることができなかったのは、リアルだと思いました。
結果的には、4回転サルコウ以外は目立ったミスがなく、おそらく本人も過去最高と思われる演技をした勇利の勝ちということになります。点数にするのはあまり意味がないと思いますが、ユリオは90点前後で、勇利は95点程度でしょう。なお、完璧に滑りきった場合は、ユリオも勇利も2015-2016シーズンの羽生選手の世界最高得点を上回ることができる技術構成です。ちなみに2016-2017シーズン(つまり今)の羽生選手は、このプログラム以上の難易度です((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル

あとユリオが祖父(たぶんすでに亡くなっている)を思い浮かべるというのはホロッとしますし、受け身になりがちで多少女性的な面がある勇利が、女性の立場で演技をするという展開は意外性があってよかったと思います。あの勇利が伊達男を演じられるわけがないのですわ。

最後にストーリーについてです。
勇利がグランプリファイナル優勝をめざすなどと宣言するとは思っていなかったので、びっくりしました。ここまでの3話で一番ビックリしたのが、このセリフです。ネガティブな性格が強調される流れだったので、最後に超ポジティブな発言をもってきたのはインパクトが強かったです。
ユリオも、潔く負けを認めて、さらなる研鑽を誓うあたりは、年少ながらかっこいいライバル像になっていたと思います。これぞ正統派少年スポコン漫画ですよ。

あ~、この先も楽しみだけど、12話しかないのか。終わった後のロス症候群を考えるとつらいわ~。

職場の同僚の奥様が熱心なフィギュアスケートファンで、試合観戦に行っているという話をしょちゅう聞いているので、このアニメをおすすめしておきました。とっくに見てそうな気もしますがw

ユーリ!!! on ICE のリアルな表現の巻

ユーリ!!! on ICEは、すごくリアルなフィギュアスケートアニメだと思います。
アニメや映画では、よくリアルな描写とか、リアリティのある演出などと言われますが、「リアルってどういうこと?」と考えました。
その結果、自分の中では「現実と同じような感情が湧き上がる描写や演出こそが、リアルなのだ」という結論になったので、その観点で書いていこうと思います。今回は、フィギュアスケート演技のリアルさについてです(次回の予定は未定!)

  • フィギュアスケート演技のリアルさ
    • オープニングだけで涙が出てきてしまったので、リアルと判定します。
    • 第1話のヴィクトルのフリープログラムの演技で、ジャンプが成功する度に「よし!」とかセカンドループ!って思わず叫んだり、あーこの振りがいいわーとか思ったり、終わった後に拍手してしまったので、リアルと判定します。
    • 第2話で勇利が黙々とコンパルソリをやっている場面も泣けてしまったので、リアルと判定します。
    • 種類が違うジャンプの描き分けが完璧で感心したので、リアルと判定します。
  • 上記のリアルさを具体的にざっくりと解説するよ!
    • オープニング
      • 背景画がなく人間のスケーティングだけで見せるという、挑戦的な内容ですが、下手に背景をいれないことで逆に想像力が働いてリアルに見えるという状況になります。
      • あえてセルルックな作画にしないで、動きのあるトレス線を用いて描くという、これも挑戦的な画のつくり。アニメートに自信がないとできません。実際に人間が演技したものをトレースしているので大丈夫だと判断したんだと思いますが、よくもまあ描いたものです。
      • 音楽がいい。自分たちが歴史を作るんだ!というポジティブなメッセージは、いまの男子フィギュアスケート界に通じるものがあります。現実と虚構が交錯する部分です。
    • ヴィクトルのフリープログラム(ヴィクトル編)
      • まだ誰もやったことがない非常に高難度なジャンプ構成なのですが、いずれこんな構成で滑る人が出るだろうとか、ひょっとしたら今季中にだれかやっちゃうかも?と思える絶妙なレベルです。実際の競技レベルよりちょっと高いところを出してくるというのは、体操マンガ「ガンバ!Fly high!」などと同じ演出で、その競技に詳しい人にとってのファンタジーの具現化といえるので、とても感動するのです。これも現実と虚構が交錯する部分ですね。
      • 冒頭で4回転ルッツ(現在まともに飛べるのはボーヤン・ジンだけ)、4回転フリップ(現在まともに飛べるのは宇野昌磨だけ)という、トップ選手でも一握りの選手しかやっていないジャンプを軽々とこなすことで、ヴィクトルの能力の高さを示しています。まあヴィクトルなら飛べるだろうねって思ってしまう。
      • トリプルアクセルトリプルループの連続ジャンプ。これも現在は誰もやらない高難度のジャンプですが、セカンドループには独特のスピード感があって、絵的に非常にかっこいいんです。そのカッコよさを見事に表現しています。自分はこのジャンプの描写は痺れました。
      • 演技最後の4回転トーループ+トリプルトーループ。こんなジャンプを最後にやる人なんかいないんだけど、アニメだからいいじゃん!みたいにやっちゃうのが好き。しかも4回転のジャンプが高くてかっこいい。ケレンみってやつです(笑)
      • カメラワークが良い。実際のフィギュアスケートの試合ではできないカメラワークのカットがたくさん出てくるので、スケオタ的に「こんな角度から見れるなんて!」という新鮮な驚きがあり、それが感動につながります。
      • 音楽がめちゃくちゃいい。ものすごくいい。オリジナル曲だそうですが、実際にこの曲で滑る選手が現れるのではないかと思うくらいいい曲。最後のステップのところなんか本気で泣けるレベル。
      • ヴィクトルの王子様感がすごい。衣装や立ち居振る舞い、演技中の表情や髪の毛の動き、要所でスケートのブレード(刃の部分)がキラキラ輝く演出など、すべてが王子様。
    • ヴィクトルのフリープログラム(勇利編)
      • いろんな意味で、ヴィクトルと対になっていることで、勇利のヴィクトルに対する思いが伝わってきて胸が痛い。
      • ヴィクトルと同じ振り付けにもかかわらず、ヴィクトルの動画をトレースして勇利に置き換えただけという部分がほとんどなく、勇利だけで動画を描き起こしている。完全に異常です。
      • ヴィクトルは2コマうちで、勇利は3コマうち動画にすることで、動きの滑らかさがなくなり、勇利のほうが不器用なことが伝わってきます。このやり方はうまいです。
      • 勇利はデブ設定なので、重心が低く、ジャンプもヴィクトルほど高く飛べてません。動きも少々堅い。
      • 特に、腕を伸ばす演技がヴィクトルよりぎこちなく、きちんと伸び切っていなかったり、動きの溜めがなかったりと、表現力がやや低いことが伝わってきます。とにかく細かいんですよ。こういう細かさがリアル。神は細部に宿ります。
      • 滑り始めたら顔つきが変わるところ。現実にもこういう選手は多くて、リンクの上では別人になってしまう憑依系ということが伺えます。ヴィクトルがリンクを降りても王子様を演じているのとは対照的です。
      • 最後のステップの表情が素晴らしくて、ニコ動で「あー落ちるー」「落ちた」というコメントが多発する事態に(笑)。それだけみんな引き込まれてしまった作画と演出です。あの場面は上述のごとく音楽が最高にいいので、相乗効果で盛り上がります。
      • 勇利はヴィクトルほど高難度なジャンプは飛べないと思うので、4回転が3回転になっていたりするとは思います。具体的には描写されないけれど、そうだろうなと推測できてしまうところがリアルです。
    • コンパルソリの件
      • フィギュアスケートのフィギュアというのは【図形】という意味です。この図形を氷上に正確に描くのがコンパルソリという競技で、一人で黙々とコンパルソリを滑る勇利を描くことで、彼の勤勉さや、スケートに対する誠実さといったものを表現していたと思いました。
      • コンパルソリは昔は試合でも行われていたのです。でも絵的に地味で観客が入らないということと、ジャンプはすごいのにコンパルソリが苦手な選手(伊藤みどりとか伊藤みどりとか)がどうしても不利になってしまうということで、試合から外されました。
      • にもかかわらず、あえてコンパルソリの場面を入れるという演出ですよ!このフィギュアスケート愛に感動しました。
    • ジャンプ描写について
      • トーループサルコウ、ループ、フリップ、ルッツ、アクセルという6種類のジャンプをしっかり描き分けています。さらに憎らしいことに、描き分け方がうまいんです。
      • たとえばトーループは左足のトー(つま先)を突く状態が見えるように横からのアングルで描く、サルコウはジャンプ直前に両足がハの字になるところをアップにする(一瞬。0.2秒くらいw)、ループはジャンプ直前に左足が右足の前に出て中腰になっているのがわかるように少しカメラを引く、フリップは逆ハの字的な状態から踏み切る(左足インサイドエッジ)、ルッツは左足がアウトサイドエッジになっている、アクセルは当然前向き踏み切り。
      • ジャンプ前後の動作も見事で、たとえば4回転フリップのときにスリーターンからすぐ飛ぶのは加点対象です(笑)。スリーターンで後ろ向きになった状態でしばらく滑って、溜めてから飛ぶ選手がいますが(というか多くの選手はそうなりがち)、得点は伸びなくなります。ヴィクトルはあらゆるジャンプの準備動作が短いので、優れた選手であることがわかります。
      • このアニメでジャンプの見分けができる人は、実際の試合のジャンプも見分けられるし、実際のジャンプの見分けができる人は、このアニメでも見分けられるはずです。だって本物と同じなんだもん。

以上、全然ざっくりしなかったけど終わり!ユーリだけで三連続書いてしまった。つまりトリプルだ!

ユーリ!!! on ICE に見る少女漫画的スポ根ストーリーのあり方の巻

ユーリ!!! on ICE が2話まで終わっていますが、けっこう古い少女漫画的なスポ根の王道を走っているので、ちょっと早いですけど「少女漫画的スポ根とはどういうものか」をまとめてみます。ユーリ!!! on ICE が合致するものにマークを付けます。

  • 主人公
    • 秘められた才能はあるけれど、伸び悩んでいる。
    • それゆえ、コンプレックスを持っている。性格的にはネガティブ。
    • 初回のイべントでネガティブな結果を出し、落ち込むところから物語が始まる。
    • 努力と根性、成功と挫折を繰り返し成長していく。
    • ルックスはパッとしない。イケメンや美少女ではない。
    • なんだかんだで、ライバルと友人になる。好敵手と書いて「とも」と呼ぶ関係です。
  • 主人公のライバル
    • 最初から「私があなたのライバルです!」と宣言して出てくる。
    • たいがい、幼少期から環境と才能に恵まれた天才。
      • でも「自分は天才じゃない!努力してこのポジションに登りつめたんだ!」というプライドがある。
    • コンプレックスはないか、あったとしても克服して現在のポジションについている。性格的にポジティブ。
    • 初回から主人公をライバル視する
      • 実際問題としては、初回時点では主人公とは圧倒的な実力差があるのだが、なぜか同等レベルとみなす。
    • 男子ならイケメン、女子なら絶世の美少女。
    • ライバルは主人公の秘められた才能を見抜き、ライバルなりに苦悩したりもする。
  • 主人公の恋の相手
    • 同じ競技をやっている異性が恋の相手になる。
    • 最初の恋の相手とはうまくいかないケースが多い。ひどい場合は相手が死ぬ。*1
  • コーチ
    • 主人公を引っ張り上げるわかりやすい存在として、コーチが登場する。これも初回で登場する。
    • 元は現役選手(たいていは将来を期待されているトップ選手)だが、わけありでコーチになっている。ここは非常に重要。
    • いいところまで主人公を引っ張り上げるが、途中でいきなり主人公のコーチをやめる。
      • 死んじゃうケースと、他の人のコーチ(ライバルのコーチとか)になったりするケースがある。*2
  • 主人公の周囲の人間
    • 優しい両親がいる。
      • 両親はたいがい優しいが、父親不在のこともある。理由は、コーチが父親ポジションの役割を果たすため。
    • 親友ポジションの人間がいるが、その人はスポーツ選手としての才能はなく、趣味で続けている。
    • 作品全体のマスコットとなるペットがいる。

上記をほとんどまんべんなく満たしている作品が、バレエ漫画の金字塔「SWAN」(有吉京子)です。SWANはコーチや主人公の親にも複雑な物語があって、それが作品に重みを与えていました。また、「ガラスの仮面」もスポ根的な要素があるので、上記の内容によく当てはまります。
少年漫画のスポ根ものも、同じようなものが定義できると思いますが、あまり詳しくないので今回はこれにて失礼します(笑)。

*1:このアニメでは、三つ子がいる人妻になってました!

*2:コーチがラスボスになるという読みがされていますが、これは少年スポ根漫画の展開。熱いぜ!

スケオタ必見のユーリ!!! on ICE の巻

久しぶりにオープニングで卒倒しそうになったアニメです。見るしかない。

http://www.nicovideo.jp/watch/so29776369
この日記ではあまりフィギュアスケートのことを書いてないですが*1、自分は重度のスケオタなのでオープニングのスケーティングですでに半泣きですわ。
まずディーン・フジオカに主題歌を依頼するのが意味がわからない。3拍子なのも意味がわからない。作画もすごすぎて意味がわからない。でも宮本賢二が振り付けなのはわかる。

企画意図もいまひとつわからないんですけど、日本アニメ(ーター)見本市の「ENDLESS NIGHT」のスタッフを中心に作られていますので、監督の山本沙代さんの持ち込みでしょうかね。ENDLESS NIGHT自体は、アニメートはすごいんだけれども、ドラマとしてはよくわかんない作品という印象でしたが、ユーリでは久保ミツロウを引っ張り出して、マンガのネームの要領でシナリオとラフなコンテを作らせたようです。
ストーリーは、よくあるスポ根ものです。才能はあるけれど自己評価低めな主人公がいて、一方ですごいライバルがいて、コーチがいて、という設定なので特に驚くことはないと思います。コーチは直前シーズンの世界チャンピオンなので、病気で引退のち死去というエースをねらえ!の宗方コーチ以来つづく王道パターンか、もしくはコーチ自身がラスボスになるパターンと思われます。どっちでもなかったら、さらにおもしろそう。

スケーティングの場面のカメラワークと作画が神がかっています。実写を元に描き起こしてるようなんですが、現実的に難しい技が多いので、フィギュアに詳しいアニメーターが入って描いているようですね。選手ごとの動作の違いまで表現しているのがすごいと思いました。
第一話だけで一晩中喋り通せるくらいのネタがあったので、このへんでやめておきます。九州に実在する町がモデルになってるので、機会があれば聖地巡りしたいなとは思っていて、要するにドハマリ状態です。

*1:いま検索したら、羽生結弦やトゥクタミシェワのことをこれっぽっちも書いてなくて驚いた。

ポーリナ・オセチンスカヤ Polina Osetinskaya のバッハ ピアノ協奏曲第1番がとんでもなく素晴らしかったの巻


https://www.youtube.com/watch?v=osg_WmeLxQk

現代ピアノの演奏では最高峰の1つだと思います。
まったく知らないピアニストでしたが、バッハでここまでピアニスティックな技法を使用して豊かな感情表現を盛り込みつつ、なおかつバロックのスタイルから逸脱しないで弾いているのは本当に素晴らしいです。現代ピアノでのバッハ演奏の可能性をまた一つ広げた演奏ではないでしょうか。
上記の動画についたコメントもほぼ絶賛で、中には毎日何度も聴いているという人もいる始末です。まあその気持ちはわかります。

これだけ弾けるのはピアニストとしての基礎能力が高い証拠です。やはり目をつけている人がいまして、下記のページでも紹介されています。
http://www.wakuwakudo.net/tokusyu_all/ensouka/005_ensouka_osetinskaya.html

情に流された 亜人−衝戟− は別種の亜人。の巻

亜人」劇場版第三部−衝戟−を見てきました。以下ネタバレなので要注意。
アニメオリジナル展開で完結します。オリジナル作品としてみるとよくまとまっていたとは思いますが、こんな終わり方でいいのか?と感じた部分がいくつかありました。

1.無能な働き者
全体的に中盤まではいい感じだったのですが、情に流された泉が囚われた戸崎を救出しようとして無茶をします。いわゆる無能な働き者。この一件をきっかけに、泉の視点で戸崎との関係性をセンチメンタルに描くシーンが入ったり、泉・戸崎ペアと対になるアメリカの対亜人部隊(向こうにも女性亜人+男性エージェントペアがいる)のやりとりが入ったりしますが、ぜんぶ要らないと思いました。

2.主人公の変節
徹底したリアリストだった圭が情で動くようになってしまうさまを描写したのがこの第三部といってよく、その観点ではしっかりまとまっています。でも圭が情で動くようになっちゃダメです。この件に関しては以上です。

3.米軍の介入
シン・ゴジラと同じ展開ですが、描写の浅さは比べるまでもありません。亜人核兵器でも死なないので、神経性のガスを使うというアイディアはいいと思いました。それと佐藤はもともと米軍の人間なので、てめえのケツはてめえで拭くという心づもりは見れました。でも最後がダサすぎた。常識で考えたら、半永久的に鎮静剤漬けになってるはず。

4.脇役がいい
一瞬しか登場シーンがない海斗ですが、救出シーンは王子様の登場そのものだし(笑)、エンディングのキャスト一覧でも圭に続いて2番めと本妻ポジションを守ってました。第三部ではひたすらオバカな役回りになってしまった攻とのいい対比になった(;´Д`)
佐藤側の亜人では、田中、奥山の描写が的確で良かったです。奥山の活躍ぶりは驚きました。

5.その他
映像のカラーバランスが独特。都会と田舎で明確に色合いを変えてくるのが特徴だと思います。
プレスコなので口の動きと声優のセリフがよく一致していますが、不気味の谷に突き落とされるかどうかギリギリと言う感じでした。
あと劇伴が主人公の変節に合わせて主観的なものに変化したのはお見事です。センチメンタルになりすぎない節度がありました。