虫様筋を鍛えようの巻

虫様筋(ちゅうようきん)は指を1本ずつ曲げるのに使われる筋肉です。

しかしご覧の通り3~5の指はこの筋肉がくっついているので独立性が低くなっています。それでもピッシュナやドホナーニのメソッドを根気よく練習すると徐々に独立性が上がってきて重音やポリフォニーなど面倒なフレーズも弾けるようになります。

そのうえでこの筋肉の瞬発力を上げてコントロール力を増す練習を重ねたところ、ピアノ演奏の音質がかなり改善されました。いい感じです。

瞬発力を上げる練習は、スケール(音階)やアルベルティ・バスやピッシュナを付点音符で弾いて1音おきにアクセントをつけるという古典的なやりかたです。付点音符にアクセントを付けるのは弾きやすいです。慣れたら16分音符のほうにアクセントを付けます(こちらは少し難しい)。

重要なのは、アクセントを付けるときに虫様筋だけを使うように意識することです。つまり指先を鍵盤に触れさせたまま、手首や肘を使わず指だけを動かして打鍵することでアクセントをつけます。手首や肘を振るようにしてアクセントを付けると効果がありませんのでご注意ください。

強いアクセントで弾く練習を続けるとかなり疲れます。そうしたらメゾピアノやメゾフォルテくらいのアクセントにします。このようにいろいろな強さのアクセントをしっかり意識して弾くことで、コントロール力が上がっていきます。

自分はずっとピッシュナやドホナーニをやっていたんですが、この手の訓練はいろいろな楽曲を弾く中でも実行できることがわかりました。しかもそのほうが音楽的な訓練になります。

例えば、ショパンの革命のエチュードの左手でこの練習をやると、左手の指を独立させる練習をしつつ革命も上達するのでオトクです。幻想即興曲の、小指で弾く音にアクセントを付けるフレーズなどにも応用できます。お試しください。