機動戦士ガンダム THE ORIGIN IV 運命の前夜 の巻

ネタバレありです。

追加エピソードのミノフスキー博士亡命事件にかなり尺を取ったのが印象的でした。このエピソードの間はテム・レイ目線で描かれたのがおもしろかったです。テム・レイが優秀な人であることがよくわかります。お父さん大活躍。あと、シャアとララァの邂逅も、当然のごとく十分に尺を取って描かれました。

しかしいきなり宣戦布告して開戦してしまったのは、ちょっと驚きました。
もう少し開戦準備の描写や、政治的な駆け引きの場面があっても良かったのではないかと思いますが、ドンパチだけ見たい作画オタク若年層やライトなファンのことを考えると、十分すぎるほど焦らされた開戦かもしれません(汗)

シャアの正体がランバ・ラルにバレないのはおかしいだろう、というのが本エピソードにおける最大の突っ込みどころです。でもジ・オリジンではこの件に触れるのはタブーだと思うので、黙認いたします。

その他小ネタとして、アムロの小汚い暮らしっぷりとか、ブルーの縞パンとか、オヤジの留守の隙にこっそりガンダムの資料を盗み見する行動とか、ファーストガンダムのディテールをしっかりフォローしていたのが良かったです。アムロたちが乗ってたコロニー内を移動するちっこいバイクが懐かしかったです(笑)。

シリーズ全体的な感想としては、たまには懐古するのも楽しいけど、どっぷり耽溺するものではないということを、改めて意識させられました。漫画原作を存分に楽しんだ後ですから、映像を見ても再確認にしかならないことが多く、今ひとつ新鮮さに欠けてしまいます。あと最初から26話構成のアニメとしてリメイクできたヤマト2199は、極めて幸運だったんだなと感じました。

また、21世紀になってエヴァ、ヤマトとリメイクされてきましたけど、ファーストガンダムのリメイクのハードルの高さを改めて認識しました。ヤマトは例の著作権をはじめ問題山積だったと思うので、サンライズが一括して管理してるらしいガンダムのリメイクはそんなに難しくないと思うんですが、リソース(人とお金と時間)がないんでしょうかね。

ユーリ!!! on ICE のBGMをいろいろ演奏してUPしました(第2回)の巻


ユーリ!!! on ICE のBGMをいろいろ弾いてみた2 - 楽譜付き Yuri on ICE OST (piano cover)

予告通りの第2弾です。
劇場版マジェスティックプリンスを見に行ったり、岡田博美さんの演奏会に行ったり、いろいろ忙しかったのですが、いま一番注力したいのがユーリ!!! on ICE なので頑張って採譜&演奏しました。ユーリの演奏動画は第3弾も予定しています。

今回は苦手なスウィングの曲が2つも入ってるのが自分的にはポイントです。スウィングは、 いままでさんざんひどい演奏をしてきてるので、リベンジ的な気分で弾いてます。

あと最後の演奏映像で、スカイブルーのネクタイをしたんですけど(カフスボタンの色に合わせた)、5話でユーリがしていたのも偶然スカイブルーのネクタイで、意図せずかぶってしまいました。このネクタイがダサいから捨てちゃえとかヴィクトルが言うわけですが、私のネクタイはダサくないですから!(血の叫び)
まあでもニコ動でウケたからいいやw

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ちなみにカフスボタンは、ラミエルですw

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エヴァンゲリオン公式フォント:マティスEB版の巻

あのエヴァの公式TrueTpeフォントがついに(ようやく?)発売されました。
こんな感じです。

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自分は昔のMacintoshの漢字TrueTypeフォントにいい印象をもっていないので、あまり期待していなかったんですけど、このフォントはなかなかよかったです。

具体的には、下の絵で丸をつけた部分。
点、跳ね、払いのさきっぽの部分の処理がとても丁寧です。

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岡田博美ピアノリサイタル@東京文化会館の巻

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三善晃:アン・ヴェール
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第30番ホ長調 op.109
矢代秋雄:ピアノ・ソナタ
ドビュッシー:12のエチュード(全曲)

矢代先生の没後40年ということで、リサイタルという体の三善先生と矢代先生を偲ぶ会でした。なので、お二人の曲と、お二人が好きだった曲を演奏。
ですが、岡田さん自身も好きなドビュッシーの練習曲をノリノリでかっ飛ばしてくれて、天国の先生たちもビックリしたのではないでしょうか。

ビュッシーの練習曲は自分もたまに弾いてますけど、岡田さんの演奏は私より3倍は速くてめちゃくちゃカッコよかったです。もう最高。前半はベートーヴェンとかで素晴らしい演奏でしたが、ドビュッシーの遊び心と頭の回転の速そうな場面転換の鮮やかさは白眉でした。

アン・ヴェールはとても幻想的な曲で、ドビュッシーと対になっていました。
ベートーヴェンソナタは、矢代先生のソナタと対になるのですが、矢代先生の曲が現実を直視する系統とすると、天を見ている曲ですね。そのあたりの表現の違いなども興味深かったです。

ドビュッシーの練習曲は、明らかに弾き慣れた十八番という感じで、とにかくノリがいい。
ツェルニーの練習曲を揶揄した1番は、本当につまらなさそうに一本調子でドーレーミーファーソーファーミーレーって弾いて、思わず笑いそうになってしまうくらいで(笑)、そこから一気に幻想と遊びの世界が広がります。そこからもう最後まで一気に突っ走る感じで、終曲の12番は超高速で一気に弾ききってしまいました。すごすぎです。

岡田さんの演奏はいかにも日本人的で生真面目でつまらないという評価を受けていたこともあるようですが、全然そんなことはなくて、ドビュッシーの曲のアイロニーやユーモアをしっかり理解して表現していたのが印象的でした。日本人とフランス人は感性が近いところがあるので、岡田さんのような日本人的ピアニストこそ、ドビュッシー向きではないのかと思いました。

シン・ゴジラ(鑑賞13回目)の巻

先週末、シンゴジラに興味を持ってもらえなかった連れを口説き落として、一緒に見に行きました。

連れは興味を持っていなかったことが幸いしてネタバレを回避できていたので、事前情報ゼロで蒲田くんや内閣総辞職ビームからの背中ビーム(これは連れも完全に想定外だった模様)、無人在来線爆弾など堪能したようです。

自分は通算13回目でしたが、前回からしばらく間が空いたこともあって、新たな気持ちで見ることができました。あと念願の【少し小さな箱でスクリーン全体を視野に入れる状態】で見れたのが嬉しかったです。カメラワークの妙というか、非常にアニメ的で強引なレイアウトだということを改めて実感しました。とにかく電線、電柱を入れたがるし、そのためになんとしても強引にでも変な場所から撮る!というこだわりが変態だなあと思いました。

矢口が最初の頃から徐々に顔が変わっていったり、カヨコも牧教授の情報が迅速に入手できた*1ことで日本側を信頼するようになるのは、なんど見ても気持ちがいいです。
特に好きなカットは矢口の「あれがゴジラか!」となかば陶然としたような表情と、ヤシオリ作戦に出発する直前のやりとり(俺が死んでも君がいるから→おぅ、幹事長なら任せとけ)のカットです。
特に後者は廊下~階段~建物の出口とずっと歩いてるところをカメラが追っかける長いカットで、撮影も大変だと思うのですが、車に乗り込んだところでお付きの自衛官がサッと敬礼するところまで、すべての演技のタイミングが完璧で、文句のつけようがございません。ここでもう完全に涙腺が怪しいので(しつこいようですが13回目)、その先の矢口の演説が感動するのなんのですわ。

まあそんなわけで、全然興味のなかった連れも見終わった後にブルーレイいつでるの?とか聞いてくるありさまでした。あと平日午後2時上映なのに観客が半分くらい入ってて、誰も物音も立てず集中して見てるとか、しかもそれが池袋の映画館だとか、でも池袋にあるまじき客層だとか、いろいろ面白かったです。都内の上映館が減ってきているので、わざわざ池袋まで見に来ている人たちなんでしょうけど、熱心なリピーターが多いのかな。11月3日以降のツイッターにおける#シンゴジ実況祭りの盛り上がりなどを見て、改めてシンゴジラの人気を再認識している次第です。

自分も1つの映画を13回もリピートすることはもうないと思いますが、夢中になれる作品に出会えるというのは嬉しいものなんだなあとしみじみ実感しました。ということで、年内にあと1回くらい見に行くかもしれませんww

*1:タイムテーブルによると、なんと当日中に調査を終えて、カヨコに報告している!

ユーリ!!! on ICE のBGMをいろいろ演奏してUPしましたの巻

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セリフや効果音の合間から聞こえる音楽を採譜して弾きました。

もっとたくさん弾きたかったんですが、時間的にこれが限界でした(汗)。なので第二弾はあると思ってください。いいんです自己満足ですから。

技術的なこととしては、最初の曲のエフェクト(リバーブ)がいままでと違っています。INTEGRA-7のリバーブのパラメータのいじり方もようやくわかったのでw、もう少しアグレッシブに使えると思います。

内田光子 with マーラー・チェンバー・オーケストラ 協奏曲の夕べの巻

モーツァルト:ピアノ協奏曲第19番 ヘ長調 K459
武満徹:弦楽のためのレクイエム
モーツァルト:ピアノ協奏曲第20番 ニ短調 K466

内田さんの弾き振りでモーツァルトのピアノ協奏曲+合間に武満さんの曲というプログラムです。

協奏曲は6型のオケで、より室内楽的なアンサンブルを重視しつつも、オーケストラ部分の演奏解釈はシンフォニックというのがユニークでした。

特に20番はいままでとはガラリと解釈を変えてきて、第一楽章ではあえて遅めのテンポを用いて濃厚なデモーニッシュさを演出。第ニ楽章で多少上向くものの、第三楽章は終始どろどろした情念が渦巻くような状況で、最後の最後、コーダでニ長調に転調したときにパッと陽が差し込むように場面転換したのは極めて鮮やかな手腕だったと思います。アゴーギクデュナーミクとも振幅が大きかったのもデモーニッシュな雰囲気を出すのに一役買っていました。

一つ間違えるとロマン派的な解釈になりかねないところもあったと思いますが、内田さんの独奏ピアノは細部に気を使いながらも折り目正しいもので、それが全体を貫く太い芯になっていたように思います。少し遅めなテンポになったことで、1つ1つのパッセージの特徴づけがより濃厚になっていたと思います。

武満の曲は指揮者なしのアンサンブルでしたが、音色が非常に多彩で、いくぶん硬い感じのあったモーツァルトよりもむしろこのオケには合っているのではないかと思いました。

今回はとにかく全く新しい内田光子の音楽とを聞かせていただいたので、非常に満足でありました。前回のディアベッリ変奏曲といい、近年の内田さんはアグレッシブな姿勢を貫いていますし、これからもさらに変わっていくのではないかと思います。