ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破をまたまた観たの巻

6回目。私をこんなに駆り立てる大きな理由のひとつが音響効果です。映画館の大きな音量に圧倒されているだけじゃねえの?という話もありますが、はい、そのとおりです。それ(絶対的な音量)がとても重要なんです。圧倒されるほどの音を浴びることは、自宅では不可能です。だから何度も何度も映画館に通っては、素晴らしい音を堪能したいんです。

アニメにおける音響効果について

アニメは絵も音も何もない全くゼロの状態から、すべてを作成してフィルムを作ります。このとき絵が重視されるのは、人間が視覚優先の動物だから、という理由で説明が付きます。しかし音もすごく重要なのです。音響の重要さについては、庵野氏はもちろん押井守などもしつこいほど語っていますが、80年代まではアニメでは音響はかなり軽視されていました。手間をかけてもサラウンドに対応できる映画館が少なかったし、ビデオデッキも高級機以外はモノラル再生しかできなかったという物理的な理由もあります。庵野氏はエヴァTV版のDVDのリマスタリング時に、追加映像を制作しただけでなく、音響も5.1chに作り直しました。これが非常に効果的だということを経験してアニメにおける音響の重要性を認識したということです。実際、新劇場版:序・破では庵野氏自身が音響監督をやっています。その結果として、演出と音(効果音・BGMも含めて)の密接な結びつきが表現できていると思います。以下、「破」で印象に残った音の演出をメモっておきます。

  • 落下使徒の形態が変化する瞬間に、音楽が転調する。すごくカッコいい。タイミングを合わせるのが大変だったはず。
  • BGMやBGN(バック・グランド・ノイズ。背景音)の音量が常に大きめ。おかげでピンポイントに挿入される無音状態がとても印象的になる。
  • 真横、後方からの音を積極的に使う。ネルフのオペレータが後ろでゴチャゴチャ喋ってる状態が、この映画の快感ポイントです。