パルティータ2番って難しいよねの巻

http://www.youtube.com/watch?v=-Lu7vDxWJAY&feature=related
アンドラーシュ・シフ先生の演奏です。先生だからいいけど、やっぱり譜割りというか、リズム割りはもっと正確に弾くべきだと思います。この曲、バッハは最初のシンフォニアのGrave(最初の部分)で16分音符と32音符の付点を使い分けていて、16分音符も32分音符のように詰めて跳ねる人が凄く多い問題曲です。実際「そうやって弾け」と解説に書いてあるトンデモな楽譜もあり困ったもんですが、私も先生も「バッハはリズムを使い分けているんだから、ちゃんとそれをくみとって演奏すべき」だと考えてます。
それはともかく、この録音はたぶん失敗です。シンフォニアのフーガのテンポ設定を間違えて開始してしまいます(2:50〜。予定テンポよりだいぶ遅く始めてしまった)。「あ、ヤバイ!」と気付いた先生は3:00あたりから加速し、3:20あたりから一気にトップギアに。構成感も何もあったもんじゃないほどの高速テンポで一気に弾ききってしまいました。これはひどい(笑)。コメントでも「このテンポアップはどうよ?」みたいに指摘してる人もいます。アルマンドも最初こそ沈静した開始なのですが、少し盛り上げようとすると微妙にテンポが上がってしまい、しばらくすると戻るなど、全体としてアゴーギクが不安定です。音だけ聴いてると、素人さんとは言わないまでも「これはちょっと・・・」という感じがありありと見られ残念至極でございます。あと臨時記号の見落としと思える変な音がポロポロ入ってるのもいかがかと思います。
http://www.youtube.com/watch?v=yeY5T5WdUBE&feature=related
クーラントのこの弾き方はありなんでしょうか?30秒からの繰り返しになると突然リズムが跳ねまくります。全体としては違和感しか残りません。慣れないTV収録だったようなので(しかも一発録り)あまり細部をあげつらっても仕方ないんですけど、もう少し落ち着いて、テンポ制御を確実に弾いて欲しい感じです。
以上、私が彼の演奏をどうにも好きになれない理由がよくわかった動画でした。

オマケ

リズム割りの正確なグールド先生の演奏。
http://www.youtube.com/watch?v=5uS3Zr_egjI&feature=related
4:45あたりから。例によって朗々と歌いすぎですが、Graveのリズム割りはとても正確。フーガ(7:30〜)も非常に速いのですが、音の粒立ちがあまりにも鮮やかで素晴らしい躍動感です。