マルグリット・ロン著「ラヴェル−回想のピアノ−」読みましたの巻

ちょっと前に入手していたのですが、影響されそうだったので封印してました。きょうになって「ミラージュ、または鏡」に関するところだけ読みました。私の出した結論に間違いがなかったことがわかりました。よかったです。心の鏡に幻影(ミラージュ)を反映させている、と書いてありました。幻影は直接見るものじゃなくて、鏡に反射させてみたほうが美しいのよ、とマルグリットは言っております。ごもっとも。各曲の説明もあったのですが、道化師の二面性もがっつりと書かれていました。この件についてわかってない人が昔から多かったらしく、ロン先生はちょっと怒ったニュアンスで書いてます。私が書いた文章の半分くらいの量で私の言いたかったことを書ききってます。まあでも、いきなりこの本を読むと面食らうかもしれません。私は美学的素養のない自分を含む人にわかりやすいように書いたつもりですが、ロン先生はそういうものは自明なこととしてさっさと歩いていってしまう感じです。かっこいいですけどね。
最終章は「自伝的素描」とラヴェルの人間そのものについて書かれていて感動的です。最後に「この魔術師は、ヒューマニティの花だったのです。」と書かれています。自分もそうだとは思ってましたが、花に比喩することでたおやかな美しさが感じられて素敵です。こういう性格だからマルグリット嬢はモーリス君と付き合うことができたんだと確信しました。人生は美しくなければ!(笑)あとラヴェルの見たことない写真が満載でイケメンすぎてたまらんので、そのうちスキャンして公開します。写真くらいはいいだろう。