音楽図鑑 - 近況報告

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JUNO-106 になった SYSTEM-8 と RD-2000 の巻

<SYSTEM-8 with JUNO-160 plug out>

RolandのSYSTEM-8がアップデートされて、JUNO-106など往年のアナログシンセのプラグアウトがリリースされました。
たまたま行った楽器店で、このJUNO-106プラグアウトをインストールしたSYSTEM-8を弾く機会があったので、簡単にレビューします。

1.こだわりのコーラス
JUNO-106といえばコーラスというくらい特徴的だったコーラスエフェクトを、しっかりエミュレーションしています。鳴らした瞬間に笑っちゃうくらい、見事にJUNO-106です。独特なノイズ感まで再現されているのですが、それはオフにすることもできます。このあたりがポイントで、JUNO-106をそのまま再現するというよりは、SYSTEM-8のエンジンを使って、JUNO-106をリファインした形で提示していると感じました。

2.リファインされたサウンド
ということで、雰囲気は似ているのですが、出音は明らかにJUNO-106とは違うのです。おそらくオシレータレベルで微妙に違うんじゃないかと思います。また、フィルタも効きが良くなっていて、コシのあるサウンドになっています。若干薄いサウンドがJUNO-106のキャラクターだったと思うんですけど、けっこうぶ厚くて、暖かみのあるサウンドです。低音もJUNOより出るようになっています。でも、雰囲気はやっぱりJUNOなのです。ここが面白い。なお音色パラメータはオリジナルのJUNO-106とほぼ同じで、操作パネルもJUNOとの対比表が公開されております。

3.総合評価
どうしても実機のJUNO-106でなければ、というこだわりがなければ十分満足できると思います。またそれ以前に、物理モデルのアナログシンセとして非常に質が高いと感じました。SYSTEM-8に懐疑的だった人が、このJUNO-106プラグアウトで評価を変えている感もあり、正直驚いています。自分もこんな可能性があるシンセだとは思っていませんでした。ただのソフトシンセと言ってしまえばそれまでですし、完全に実機と同じサウンドになりえないとしても可能な限り雰囲気を再現して、できるだけ良いものにしようと努力した、ローランドの技術者の方のJUNO愛を感じられます。

RD-2000

1.外観
ステージピアノ新製品かつ最上位機種です。V-piano音源とSuperNatural音源を搭載したRDということでポテンシャルが高いので、実機を見かけたらじっくり試弾したいと思っています。やはり表現力が非常に高いんですよね。鍵盤次第では購入を検討したいです。譜面たてをどうしようかなあと悩んでます(笑)
ヤマハのステージピアノは、音色の表現力がいまひとつで残念です。もうすこし繊細なピアニッシモや、迫力あるフォルティッシモが出せるといいんですが、使いやすさを重視して抑えているように感じます。

2.マスターキーボード機能
マスターキーボードなので、操作子としてスライダーやつまみがたくさんついています。その中でも、2種類のモジュレーション&ピッチベンダーを搭載したことは特筆できます。ローランド方式のモジュレーション&ピッチベンダー一体型ノブと、ヤマハ方式の独立型の両方を搭載したわけですが、こういうキーボードはほとんど存在しなかったので、よくぞやってくれたという感じです。もちろん、DAWのコントロール機能もあります。まだマニュアルが公開されていないんですが、どんな機能があるのか楽しみです。

3.総合評価
海外製のMIDIマスターキーボード(KOMPLETE KONTROLなど)と、日本のステージピアノを融合したような製品だと思いました。音源はおそらく既存のものを流用していますので、もっぱら機能面での進化になります。
近年のステージピアノは基本的にライブ演奏重視で、DAWなどの音楽制作におけるマスターキーボードとして使うには、機能的に物足りなさがありました。RD-2000はそういう物足りなさを払拭するのではないかと思います。今回はローランドの製品ですが、ヤマハからも対抗馬となるような製品が出て欲しいと思います。