内田光子(指揮・ピアノ)クリーヴランド管弦楽団@サントリーホールの巻

プログラム
感想

すでに各所で絶賛の嵐の演奏会ですのでいまさら私が書くのもなあ、という感じがするわけですが、とりあえず。
なにがすごいって、まず内田光子の人気。今回のドサまわりでは東京で3回の公演があったんですが、すべて完売です。特に16日は人気曲目ということもあって、平日なのに発売後30分くらいでチケットが完売してしまいました。どんなアイドルなんだ(笑)。ピアノ以外の楽器を含め、サントリーで3回完売できる人はこの人しかいません。つまり、いま内田光子は日本において最も人気のあるクラシック演奏家、ということです。
それで演奏ですが、もう感嘆と感動のため息しか出ないという状況でした。20番はかなりピアノの音量が出ていて、あまりにも豪快なので連れと「この人こんなに大音量だったっけ?」と顔を見合わせてしまいました。この曲は内田さんの18番なので全く心配なく聴いていましたが、それでも第二楽章の鬼の交差パッセージはスリリングで、よくまあ外さないもんだと思いました。また、この曲はカメラータ・ザルツブルクとの演奏がDVDで出ていて、そっちの方がドイツ系の厳しい感じな攻めまくりの演奏だったと思います。クリーヴランド管は西欧オケっぽさを残しつつ、明るく軽やかな響きが特徴なので、内田さんもそれを生かすようにあまり溜めを作らず流れを重視した演奏だったと思います。
27番は、あっちと対話したらこっちとお話、みたいにピアノとオーケストラが複雑に絡み合う曲で、あまりにも難しそうなので正直弾き振り向きではないと思うんですが、内田さんは本当に自然に、実に楽しそうに弾いてしまいました。27番の独特な軽さはこのオケによくあっていると思います。
全体を通して、いつも以上に「ピアノが好き、音楽が好き、モーツァルトが好き!」という内田オーラの放出がすごく、笑顔全開、自信たっぷり、オジギ激深、というみっちゃんワールドが堪能できて満足しますた!座席はいつものデルタ席だったので顔は見えないだろうなと思っていたのですが、意外とよく見えて嬉しかったです。毎度話題のみっちゃんの顔芸は、今回はこれが割と大事で、あの表情でオケをコントロールしてるんですね〜。これもしっかり堪能させていただきますた!