ソニックセルのシンセシス機能の巻

SCシリーズ(Sound Canvasの略らしい。今日知ったw)にはなかった機能です。

  • ストラクチャー選択
    オシレータ(WG:Wave Generator)、フィルタ、アンプの並びをつなぎ変える機能です(右図参照)
    ソニックセルは1音色に最大4つのトーンを割り当てることができます。いわゆる2VCOタイプのアナログシンセとして機能するには、最低2つのトーンが必要です。ストラクチャーの考え方は、RolandではD-50から始まっていますが、右図のような変態的仕様になったのは、ちょっと調べたところ、たぶんXP-50からと思われます。XP-50を単なるPCMシンセだとさんざんバカにしていました。反省します(汗)。この仕様がなかなかSCシリーズに取り入れられなかったのですが、最後にソニックセルで取り入れられた、というわけでございます。ソニックセルの中身はFantom-X廉価版なので、Fantomの機能をまるっと受け継いだだけですw
    • Type1:並列タイプです。プリセットはこれが多いです。何が面白いんだ、という話もありますが、強弱で違う波形や音色を用意して、ベロシティでスイッチしたりするためには、この並列タイプが必須です。プリセットには2並列、4並列の音色が多く、同時発音数を無駄に消費しているように思います。SCシリーズで2つの波形を使っている音色は、このタイプになります。
    • Type2:フィルタ直列タイプ。ローランドのシンセのフィルタは、伝統的に切れ味不足です。なのでプロフェットなどの24dB/octフィルタのシミュレーションは厳しい、というか原理的に不可能なんですが、こういうやり方で強引に解決します。このストラクチャーを使いこなせるかどうかが、活用上のキーポイントになると思います。
    • Type3〜10:「B」というのはブースター(ディストーションの親戚)、「R」はリングモジュレータです。パス(経路)違いでそれぞれ4種類ありますw
  • FXM(Frequency Cross Moduration)
    エディタ上にひっそりと存在していた、クロスモジュレーション。これもFantom由来で、SC音源には装備されていませんでした。ピアノ波形でクロスモジュレーションしてピアノ崩壊とか可能です。プリペアド・ピアノみたいな「ガン・ゴン」という音もすぐできます。DX-7やSY77で作ってたアノ音色です。持続音はすぐ金属的にギャーギャー鳴り出すし、これはスグレものです。もうJAPANをやるしかないって話がw

以上まとめると、シンセシスを期待していなかったソニックセルが、想像以上にシンセらしいシンセということがわかりました。ここまで多彩な機能があると、アナログシンセの基本波形(三角、ノコギリ、パルス)だけでも相当に遊べるはずです。
というか、Fantomにしてもソニックセルにしても、これを使いこなしてる人っているの?音色選んで終わり、みたいな人ばかりのような気がして、すごくつまらないんだけど・・・。
何度でも書きますが、ツールは使いこなさないと意味がありません。生楽器を意のままに操るのはとてもとても(無限につづく)大変ですが、電子楽器はデータを追い込めば限りなく理想に近づけるので、お手軽なレベルで満足しないようにしたいものですね。