宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち 第七章 新星篇 最速上映に行ってきたの巻:ネタバレ注意

※できるだけネタバレを避ける方向で行きますが、ま、ちょっと覚悟はしておけ。

すべての予想を覆しとのことでしたが、ガンダムNTと同様に根幹となる設定にイデオン的な要素があり、改めてテレサがイデと同じような存在だと思えてきたところで見たので、いろいろびっくりすることが起きても「まあ、そうなるよな」と納得できる範囲におさまっていました。

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ただ、細かなところでは予想を覆されています。たとえば23話(冒頭)のデスラー回です。自分は古代vs.デスラーという関係にはあまり興味がなくて、この23話も期待していませんでした。意地の悪い見方をすると2202のデスラーは2199で残った伏線の回収要員にすぎないキャラといえますし、ただの士官である古代と星間国家の総統が好敵手という旧作の関係性もありえなさすぎなのです。だからこの二人を描いたら絶対に白けると思っていました。キーマンvs.デスラーのお家騒動を描かれるのもイヤでした。

ところが今回は古代vs.デスラーという対立軸を描かず、お家騒動では総統が見事な挟持を見せつけ*1、その後は物語が予想外の方向へ転がります。結果としてここが2202における最大の転換点となっただけでなく、第一作の第24話に対するアンサーにもなるという神回に化けました。特に古代に対するデスラーの視点が適切なものになっていたことが高く評価できます*2
自分はヤマト第一作の第24話「死闘!!神よガミラスのために泣け!」でヤマトが徹底的にガミラスを破壊しつくしたあとに、古代が泣きながら「愛し合うべきだったんだ」というシーンが大嫌いなんですが、あれから45年を経てついに総括されました。人類は、やられたらやり返すを永遠に続けていいのか。1000年も愛を憎み続けてきたガトランティスは変われるのか。この回が全ヤマトシリーズの中でベスト1といっても過言ではないです。内山くん、山寺さんの演技も見事でした。泣けました。

あとは、滅びの方舟との戦いがあってエピローグで終わりですが、23話があまりにも良かったので尻窄みに見えてしまいました。それだけ自分の中で旧第一作のシコリが大きかったということです。戦闘の迫力はすごいし、新しいギミックや昔のギミックまで登場するまさに総力戦で、ドラマチックな展開だったんですけどね。

そして主要キャラがまんべんなく伏線を回収していく中で、モブが印象に残りました。モブ兵士は容赦なく死ぬし、モブに撃たれて死ぬ奴もいるし、ガトランティスにおびえるモブもいれば、ヤマトに希望を見出すモブもいます。そういう名もない市井の人々の丁寧な描写が、大いなる和を象徴するラストシーンへつながったように思いました。

*1:この挟持に説得力を持たせるために、デスラーやキーマンの過去の描写があったと考えられる

*2:旧作はプロデューサーがデスラーを好きすぎて変な思い入れがあったらしい