アルフレッド・パールがベートーヴェンのピアノソナタを再録音中の巻

以前とりあげたアルフレッド・パールがベートーヴェンピアノ曲を全部(たぶん)録音するプロジェクトを開始していました。今回は作曲年代順にある程度まとめて3セットでリリースされることが決定しており、第1弾としてソナタ1番~11番までと、同時期に作曲された変奏曲(かなり多い)に加えロンド2曲が収録された5枚組CDが先月末にリリースされています。実はすでに注文しているのですがまだ届きません。さらに今月はディアベリ変奏曲が単体でリリースされる予定です。これも注文済みです。

このプロジェクトをピアノ独奏曲全集と紹介しているサイトもありますが、写真を見れば分かる通りComplete "Piano" Worksつまりピアノ曲全集なので、珍しい4手作品も収録されます。あと若い時期の習作も収録されることになっています。

前回の録音が1990年代半ばでしたからおよそ30年経過したことになります。前回の全集を聞いたときはその完成度に本当に驚き、21世紀はこのレベルが標準になるんだろうな、と感じました。実際、21世紀になってからポール・ルイスやエル=バシャ(2度目)といったピアニストによる極めて質の高い演奏のCDが発売される契機になったのではないかと思います。ルイスもエル=バシャも愛聴盤になっており、三者+四様の演奏を楽しむ日々にもうひとつ追加されるのが楽しみです。

ざっくりとした特徴は以下のようになります。

ルフレッド・パール(1990年代盤):瑞々しい音色を生かしたフレーズ表現を重視
ポール・ルイス:繊細で奥深い表現を企図
エル=バシャ:楽譜を再現する正確さと精度の高さ、対位法的書法を意識した表現

なお以前の日記は下記になります。13年も前です!

harnoncourt.hatenablog.com