KORG Grandstageを試奏したら、なぜかCLAVIA nord piano 3買っていたの巻

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「あ…ありのまま今日起こった事を話すと、俺はGrandstageを買うつもりで楽器屋に行ったんだが、いつのまにかnord piano3を買っていたぜ。 な…何を言っているのかわからねーと思うが、俺も何をしたのかわからなかった…頭がどうにかなりそうだった…催眠術だとか超スピードだとか、そんなチャチなもんじゃあ断じてねえ。 もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ。まあとりあえずGranstageの試奏レビューから読んでくれ」

 

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KORG Grandstage試奏記>
  • 起動時間:60秒弱。システム起動が15秒程度、波形ロードが30秒強。ロードが終わればすぐ音が出る。
  • レイテンシー:KRONOS比になるが改善されたように感じた。(ピアノタッチ鍵盤のため気にならないだけかもしれない) 
  • ペダルはデフォルトではサスティンのみ対応。ソフトやソステヌートは別途コントローラを接続すれば設定可能(たぶん)。
  • EQやエフェクトなど、主要パラメータがデフォルトでノブにアサインされていて、操作性が極めて良い。ベロシティ調整もノブにアサインされているのが「わかってらっしゃる」感じ。
  • デフォルトでCC80/81がコントローラにアサインされている。これはローランドのMIDIマスターキーボード(Aシリーズ)を意識した仕様だと思って、自分的には好印象。
  • ここまで「デフォルトで」を何度も繰り返したことからもわかるように、箱から出してセッティングして電源ONですぐ即戦力だ。
  • と思ったら、まずペダルのキャリブレーション(初期値調整)が必要。なおペダルキャリブレーションはnuma stageも必要で、最近のピアノタッチマスターキーボードのトレンド機能っぽい。
  • ベロシティ調整がPre-MIDI/Post-MIDIを選択できる。ベロシティ調整を本体音源とMIDI出力両方に反映させるのがPre-MIDIで、本体音源をスルーしてMIDI outのみに適用するのがPost-MIDI。これは最初から外部音源を使う前提の仕様で、他メーカーだとヤマハP-300/500など限られた機種しか持っていない機能。
  • アコピの音はKRONOS+αなので特に書く必要はないと思うけれども、搭載された波形が綺麗で使い勝手は良いと思う。
  • エレピ系ではFM音源の挙動がシミュレートされているようで、DXエレピはあの音色変化がちゃんと再現されている。たださすがにMONTAGEのFMエレピにはかなわない感じ。
  • 出力はローエンドがカットされているようで、スタインウエイのフルコン特有の低音のふくよさがない。試奏したモニターの性能によるかもしれないが、これはKORGにかぎらず日本メーカーのピアノ音源特有の音作りだと感じている。ポップスやロックにおいては、100Hz以下が伸びているとベースとかぶってサウンドが濁りやすいので、このくらいスッキリした低音のほうがアンサンブルで使うときは都合がいいという判断だろう。
  • アコピは高音域の音色が生々しくてよい。ダンパーがない音域(上から1オクターブ半)は軽視されがちで、安い機種になると波形がループに入るタイミングが早く違和感があるのだけど、とてもスムーズ。
  • エフェクト(特にリバーブ)の質が高い。いいプラグインを積んでいると思う。リバーブのパラメータもパネル上のノブで簡単に変更できる。
  • KRONOSの弟分ということで音色数が多く、レイヤーやスプリットなどの機能もよく考えられている。
  • 欠点は、同時発音数がちょっと少ないこと。1ボイスで4エレメントを消費するSGX-2のアコピは60音まで。ただ同じく4エレメント消費のINTEGRA-7の32音(実質値)や、40音のnord piano 3と比べればマシなほう。
  • やはりスタインウエイの波形が入った唯一の日本製のステージピアノというのがステータスだろう。MIDI機能を含め完成度が高い製品だと感じた。
  • これで御三家(ヤマハ、ローランド、KORG)のステージピアノが揃ったが、すでにヤマハCP4 STAGEは一世代前の製品に思えるので、ダンパーON時の共鳴シミュレートなどデジピ分野の機能をフィードバックした新機種が出ることを期待したい。 

 

<nord piano 3購入に至る経緯を時系列で要約>
  • この数ヶ月、ピアノタッチのMIDIマスターキーボードを探していて、ステージピアノやデジタルピアノを片っ端から調べる。
  • 必須機能:ピアノタッチ88鍵、2ペダル(サスティン+ソフトペダル)、サスティンは連続検出のハーフペダルが使える、ベロシティ調整、譜面台、USB-MIDI。日本製のステージピアノは譜面台が使えないのが最大の難点(この時点では)。
  • あると便利:スタインウエイD274の波形搭載、3ペダル(付属だとなおよい)、純正スタンド、詳細なベロシティ調整、ピッチベンダー&モジュレーションホイール、USB-Audio、シンセサイズ機能、本体重量20kg以下
  • ネット動画で音色を比較して、nord piano 3の音色が最高だろうと目星をつける。スタインウエイの音色は当然として、フォルテピアノモーツァルトベートーヴェンの時代のピアノ)の音色は、ちょっと衝撃的だった。ちゃんと状態の良いフォルテピアノを探してきてサンプリングしていて、「この音色が弾きたい!」と思わせてくれる。

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    次点はStudio logic numa stage。日本製品ではKORG KRONOSがnord pianoに迫るレベルで、Rolandヤマハの音色はアコースティック系のピアノソロで使うにはちょっと厳しい。(Roland音源でアコピ演奏みたいなことやってますが)
  • KRONOSとnord stage2を比較している動画があって、スタインウエイの波形は非常に似ているのだけれど、KRONOSのどこか日本的な佇まいのある澄んだ音色よりも、nordのコクと奥行きのある音色のほうが圧倒的に好みに合うことを知ってしまった。サンプリングに使ったピアノの特性や調律&調整の違いもしくは、サンプリングする音をプレイした演奏者の違いだと考えられる。


    Korg Kronos Vs Nord Stage 2

  • とはいうものの、身近にnord pianoを展示している店がなく、価格も高いしサポートにも不安があるので候補から除外。
  • numa stageは所有者はみな絶賛しているけれど、展示店における扱いがひどく(営業努力が不十分な証拠)やはりサポートに問題があることが判明。FATOR鍵盤というのも微妙に気にかかる。
  • KRONOSも起動に120秒かかるとかレイテンシーといった諸問題がある上、シンセを求めているわけではないので候補から除外。
  • そうこうしているうちに、Roland RD-2000が発売になる。
  • RD-2000は多機能すぎることと、純正スタンドが大きく接地面積を取る上に譜面立てがないなど許容しがたい仕様もあるため、同レベルの機種でスタンド+3ペダル+譜面立てが付いたRoland FP-90が第一候補に浮上。
  • FP-90をじっくり試弾すると、鍵盤のリリースに違和感があることが判明。PHA-50鍵盤だが、おそらくアイボリーフィールSの欠点(ちょっと触ると音が出てしまう)を防ぐために、鍵盤を押し上げる力を少し強くしている。そのため、打鍵保持力を緩めると思わぬところで鍵盤が上がってきて、テヌートが解除されてしまう。そして、そうならないようにするために、意識的に鍵盤を押さえ込むような奏法になって、演奏技術的によろしくない。(立って演奏したり、椅子を高くして腕の重みで鍵盤を押さえれば問題ないレベルとは思う)
  • そうこうしているうちに、KORGがGrandstageを発売。なんと譜面立てが付く。国産ステージピアノとしては非常に珍しい。ひょっとすると初ではなかろうか。
  • ということで、購入候補に急浮上したGrandstageを楽器屋で試奏することにした。
  • まず御茶ノ水の楽器屋でルック&フィールと音をざっと確認。セッティング状況が悪く、椅子に座っての演奏やペダルの確認などはできず。余談だけど、ピアノタッチ鍵盤なのに座って演奏確認できないような店は滅んで別の商品を並べたほうがよいと思う。結局別の店で再確認しなければならなくなる。御茶ノ水はこんな楽器店ばかりなので、キーボードや電子ピアノを選定するのには向かない。
  • (実名出してしまいますが)池袋の石橋楽器にGrandstageが展示されていることを確認し、ここならきっと特等席(2ヶ月前にRD-2000が置いてあった場所)に置かれていて、じっくり座って弾けるはずなので、行ってみることにする。
  • 実際に行ってみたら、特等席にはnord piano3が置いてあった。まって、そんな話は聞いてない。というか、そもそも2ヶ月前に店のホームページにはnord piano 3 完売って載ってたよね?そういえばCLAVIAはヤマハが国内代理店になっていてサポート面もクリアしてるし、純正の譜面台もヤマハで扱ってるし、一気に購入候補トップへ返り咲き。
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 <nord piano 3試奏記>
  • デモ動画では鍵盤がすごいってアピールしてるけど、鍵盤の奥の方を弾いたときの挙動は今一つで、日本製デジピの鍵盤の出来の良さを実感する。もちろん普通に弾く分にはまったく問題ないし、スタインウエイの鍵盤を意識しているようで、軽くスムーズなアクションで弾きやすい。
  • ペダルシミュレーション(開放弦共鳴)がリアルで気持ちが良い。ただ、この気持ちよさを味わうためにステレオで演奏すると40音ポリになってしまう。モノラルで演奏しても60音ポリ。いまどきこれはひどいが、INTEGRA-7のSN音源ピアノ(ネットにUPしてるピアノ演奏に使ってる)が実質32音ポリくらいなので実用上許容範囲と判断。
  • 3本ペダルが標準でついていて、踏み心地が気持ちいい。とにかくペダルシミュレーションがすごいので、ペダルを踏んでポーンと弾くだけでウットリ(*´∀`*)
  • シンセみたいな外観が謎だったけど、要はGrandstageと同じで、主要パラメタに一発でアクセスできるようになっている。EQやエフェクトも直接つまみ操作で変更可能。
  • 結論としては、音色だけでnordを選択した。生ピアノの選定と同じでビビビッとくる楽器を選んだ形です。