ユーリ!!! on ICE から Yuri on ICE を演奏してUPしましたの巻


ユーリ!!! on ICE から Yuri on ICE を弾いてみた

タイトル曲ということで、オケまでコピーして演奏しました。「愛について~eros~」がけっこう荒っぽい仕上がりだったので、できるだけ丁寧に、繊細に弾いたつもりです。あと少々オリジナル解釈で、デュナーミク(強弱表現)をつけています。

自分は天邪鬼なので、他の人が弾いている曲はなかなか腰が重いです。この曲も、実は半年くらい前から採譜して、ドラムや弦楽器の演奏もしていたんですけど、いまごろUPになってしまいました。ピアノパートに聞き取れない部分があって、なかなかきちんとした楽譜が書けなかったのも原因です。聴取環境をAKGK240というヘッドフォンにしたところ、うまい具合にオケとピアノが分離して聞こえるようになって、なんとか採譜できました。といっても、動画に掲載した楽譜は何箇所か間違ってて、演奏のほうが正しいです(とほほ)。

DTM的にはドラムパートがポイントです。スネア5種類、シンバル6種類、ハイハット4種類を使い分けてます。INTEGRA-7のSNドラム音源は、叩く強弱で音色がスムーズに変化するので、こういう繊細なプレイに向いていると思います。録音とミックスはDigital Performerで、96kHz/24bitベースで作業しました。いままでDPではMIDIデータにはほとんど手を入れなかったんですけど、今回は弦やドラムで細かい修正をやってます。全体的にフォントサイズが小さくて(9ポイントだらけ)、老眼にはつらいソフトだとしみじみ感じました。

ボンクリ・フェス2017 スペシャル・コンサートの巻

現代音楽作曲家の藤倉大さんがディレクターを務めた演奏会に行ってきました。概要は下記ホームページを参照。

ボンクリ・フェス2017 スペシャル・コンサート 東京芸術劇場

内容は、藤倉さんが好きな曲を、できるだけオリジナルに近い形で演奏するというもので、取り上げられる楽曲も坂本龍一デヴィッド・シルヴィアンといったポップスから、武満まで多岐にわたりました。

印象的だったのは、坂本龍一の最新アルバム async から演奏された "tri" です。tri = 3、トライアングル、三位一体、などさまざまな意味があると思いますけれども、原曲通りに3名のトライアングル奏者による生演奏で、非常にテンションが高く、ピリッとした空気感が素晴らしかったです。

あとオリジナル編成で演奏された武満の雅楽風の曲など、気になった曲もいくつかありましたが、やはり初体験ではなかなか楽しむことができませんでした。何度もasyncを聞いて予習ができていた "tri" はとても面白く聞くことができたので、やはり音楽を楽しむには事前準備が必要と感じた次第です。一発でサウンドを聞いてもなかなか楽しめない(なじめない)のは、現代音楽に限らないとに思います。

新世紀エヴァンゲリオン DEATH(TRUE)2 BGM「AIR」を弾きましたの巻


新世紀エヴァンゲリオン 劇場版 AIR より「AIR」を弾いてみた

※突然こんな曲を弾いてしまった経緯

  1. マルティン・シュタットフェルトショパンエチュードのジャケットがポゴレリッチそっくりで驚いて買う。
  2. 聞く→よい。大人っぽいというか、プロっぽい演奏になった。
  3. シュタットフェルト、ちょっとすごくない?
  4. バッハ平均律集をいつのまにか録音してるので、あわてて買う。
  5. 聞く→これもよい。
  6. イギリス組曲も録音していたので、買う。
  7. 聞く→とっても良い。
  8. イギリス組曲のCDの最後になぜかAIRが収録されていて、とてもいいアレンジ&いい演奏だったので、弾きたいモード発動。
  9. アレキサンドル・シロティ編曲ということでIMSLPに楽譜があったので、ダウンロードして弾く←イマココ。

なぜかホモフォニックな曲だと勘違いしていて、楽勝で演奏できるだろう思っていましたが、しっかり3声で地味に難しかったです。なお、細かなところで楽譜を改変して弾いています。たとえば、繰り返しのときに「ファミファ~」と弾き始めていますが、これは弦楽器ではやらないフレーズで、鍵盤楽器的(チェンバロ的)な奏法です。自然に出てしまいました。演奏中はエヴァのことが思い出されて、ともすると感情的な演奏になりがちで、セーブするのが大変でした。

あと、ついでに平均律集1巻のホ短調のプレリュードとフーガの練習を始めてしまいました。シュタットフェルトショパンエチュードを買わなかったら、バッハを弾くなんてことにならなかったので、人生何があるかわかりません。

 ※AIRの楽譜は下記リンク先にあります。

https://imslp.org/wiki/Special:ImagefromIndex/09510/wc13

 

CHOPIN

CHOPIN

 

 これがポゴレリッチそっくりなジャケット。ショパンエチュードに即興演奏のコラールを追加して24曲+アルファの組曲にしてしまったという企画盤。クリックするとamazonに飛んで、私が書いたレビューが読めます。アフィリエイトとか貼ってないのでお気軽にどうぞ。

 

Classic CD, Martin Stadtfeld - Bach: English Suites Nos.1 - 3 BWV 806-808[002kr]

Classic CD, Martin Stadtfeld - Bach: English Suites Nos.1 - 3 BWV 806-808[002kr]

 

 AIRの入っているイギリス組曲です。輸入盤や国内盤があってお値段が違うので、購入される際は最安のものをポチってください。

 

ショパン:4つのスケルツォ

ショパン:4つのスケルツォ

 

 こちらは本物のポゴレリッチ先生。このスケルツォは聞く人の神経を逆撫でするような、非常に個性的な演奏です。

 

PM2.5 に悩むの巻

この1週間ほど呼吸器系と眼粘膜が炎症起こしまくりで大変です。原因はPM2.5っぽいです。空気がとっても刺激的です(物理)。どういうことかというと、眼や鼻の粘膜に刺すような感覚をもたらします。

昨夜も、外で何か燃えているんじゃないか勘違いするほど、刺激臭のような匂いを感じていたんですけど、どうやらこれがPM2.5らしいです。

こんな感じなので、症状は咳と鼻水で終わるわけはなく、めまいやふらつきといった方面まで影響を及ぼして、午後はぐったり、という感じでした。花粉症とダブルパンチなので、早く雨が降ってほしいです。

アラベスクはアラビア風の模様のことなのか?の巻

徒然なるままにというか、気が向いたときに、適当に音楽美学を勉強しています。

そんなわけで、アラベスク

ピアノを習っていた人は、ブルグミュラーとかドビュッシーとか、ちょっと詳しい人はシューマンの曲を思い浮かべると思います。バレエ好き、少女漫画好きな人は山岸凉子先生の作品を思い出すでしょう。そして、みんなアラベスクってどういう意味なのだろうと、疑問に感じるのではないでしょうか。

楽曲解説や辞書には「アラビア風の模様。唐草模様」と書かれていていますが、それが音楽と何の関係があるのか、いまひとつピンときません。ということは、解説や辞書が間違っていたり、説明不足の可能性があるのではないか?と疑い始め、この数年間かけてアラベスクについて勉強してきました。

その結果、アラベスクはアラビア風という意味にとどまらず、芸術における美の概念であるということがわかりました。本エントリーはその報告(中間報告)です。

アラベスクとは。
もともとは辞書のごとくアラビア様式の模様のことなのですが、転じて「人為的に統制された、混沌や混乱や不自然さを用いた美の表現」という意味を示すようになります。これがさまざまな派生を生んだと考えられます。たとえば、下記のようなものです。

  • 文学では、特にロマン派文学において混沌が重要な要素になりますが、でたらめではいけないということで、アラベスク理論つまり統制された混沌が重視されました。
  • 音楽では、たとえばシューマンピアノ曲アラベスク」は、混沌より統制が重視され、文学的要素も希薄でそれゆえ習作感があります。しかし「クライスレリアーナ」になると統制された混沌が見事に表現されます。
  • 「グロテスク」と同義なものをアラベスクと呼ぶことも、しばしばあるようです。グロテスクとは、古代ローマを起源とする異様な人物や動植物等に曲線模様をあしらった美術様式で、曲線の使い方が上記のアラビア模様と似ているので、区別せずに使われていたようです。
  • さらに派生して文学や演劇における共感と嫌悪感の双方を抱かせるような人物はグロテスクであると考えられていて、これもまたアラベスクと混同されます。「ああ無情」のジャン・バルジャンなどが典型例でしょう。
  • クラシックバレエにおいて、片脚で立ち、もう一方の足を上げる有名な姿勢も、アラベスクと呼ばれます。たいていはトウ(つま先)で立ちます。姿勢は完全に統制されていますが、自然ではありえない姿勢です。不自然なものを完璧に表現する、それが美である、という考え方ではないかと思います。

自分もまだまだ勉強中なので、勘違いや行き届かないことがあると思いますが、とりあえず以上といたします。

Roland RD-2000 を試奏してきましたの巻

印象を箇条書きでまとめます。

  • 従来のRDシリーズより軽いタッチの鍵盤。白鍵はまずまずだが、黒鍵の材質がよくなく、弾き心地はいまひとつ。(黒鍵が良くないのは、他メーカーでもありがちです)
  • サウンドは落ち着いた印象の音色が多いです。V-piano音源はサスティン部の響きのシミュレーションに違和感があって、音数が少ない曲をソロでポロンポロンと弾くのは厳しそう。パラメータを追い込めば気にならなくなるかもしれません。
  • ピッチベンダーとモジュレーションホイールが2つついたのはありがたいが、88鍵の左端で遠いので、操作がむずかしい。
  • 最近のローランド製品らしく、いろいろ光ります。
  • ノブやスライダーなどの操作子の動作感が少々安っぽいけど、プログラムチェンジボタンなどを含め適度に大きくて押しやすく、好感触です。
  • 液晶ディスプレイが小さく見づらい。ディスプレイサイズが小さいし、フォントも小さい。INTEGRA-7あたりからの流用かと思いますが、もうちょっとなんとかならなかったのかと思います。変なところでコストダウンした感じ。
  • サイズ感は思ったほど大きくなかった。RD-300と並べて置いてあったのですが、同じ大きさに感じました。
  • USB-MIDIモードが2つあるのはローランドの伝統で、本体のDAを使いたいときなどはVENDERモードにしないと動作しないので要注意。基本的にはVENDERモード固定で使うのがいいと思います。(グローバルパラメータです)
  • たぶん買います。ヤマハP-300*1以来のステージピアノ購入になりそう。

*1:現役で使ってます。

機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ終了の巻

一期は鉄華団を中心にした一種のロードムービーで、二期は鉄華団の崩壊が描かれました。二期はなかなか視点が定まらず迷走した感もありますが、ラスタルとクーデリアの姿勢がブレなかったので、なんとかまとまったと思います。

そのラスタルですが、二期の最初のエピソードでいきなり堂々と登場させたのは、シリーズ構成上問題があると思いました。一期のうちにもっと出しておくべきだったと思います。また地球で小競り合いをだらだら続けていましたが、リソース(ヒト・モノ・カネ)には限りがあるのに、そのあたりを全く気にしないのは、演出としていかがなものかと思いました。鉄華団がいつもカツカツな状態(一期は貧乏体質、二期は人不足)でやりくりしているので、潤沢なギャラルホルンを対比として見せたかったのかもしれませんけど。

こんな感じでいろいろ問題はありましたが、性格が変質してしまったマクギリス以外は最終回までブレずに描けていて、キャラクターの魅力で持ったアニメだという印象が強かったです。

あとはそのキャラクターについての感想です。

自分が気に入っていたのが、まず昭弘です。昭弘と三日月の関係性は、一期の最初からじっくり描かれていましたし、デブリの子たちにアルトランド姓を与えるなどして、鉄華団が家族であるということを具体的に示したキャラだったと感じました。

次のお気に入りキャラが、問題のシノです。なぜ問題かというと、おっぱい魔人のノンケ男子だと思っていたら、公式からバイセクシャルという情報が出まして、ちょっと混乱したからです。ですが、よくよく考えるとバイだということで逆に納得できるシーンもあったので、腑に落ちた次第です。どの場面かというと、ヤマギが好意を寄せていることを認識して、真剣に悩むところです。そもそも真剣に悩んでいるのがノンケとしては変な感性だと思いますし、しかも「俺たち家族だろう?」と言って悩んでるんですね。家族でなかったら、ヤマギの好意を受け入れられる可能性があったのか?ということになりますが、なるほど可能性はあったんだな、ということですわ。

以上のシノのバイセクシャル判明事件*1は、腐った鉄血クラスタへの激震?になりまして、自分がこのエントリを上げるのが遅れた原因も、ひとえにこの一件が納得できなかったことによります。アニメキャラのセクシュアリティなんかどうでもいいと思っていたんですけど、シノはそういうわけにはいかなかった。過剰にノンケっぽさを装っておっぱいおっぱい騒ぐのは、若いゲイやバイセクシャル男子のあるある事情だったりするということですし、いつも明るくてバカっぽく振る舞っているシノが、実は人一倍愛情深い人間だということは端々で描かれていて、自分はそういうところが好きでした。ヤマギの気持ちがなんとなくわかります。おっと、シノの項目が長すぎですね。

あと、どうしても言及したいのがジュリエッタです。彼女はギャラルホルンにいながら、鉄華団のことを最も理解していました。ガエリオが、将来ギャラルホルンを統轄するのは彼女だと言っていましたが、この明晰な洞察力と*2、野心のなさ*3を買ったからだと思います。もちろん、マクギリスも鉄華団に対する理解というか、親近感を持っていたのは事実ですが、彼自身もオルフェンズの1人だったことを考えれば、ある意味では当然ともいえます。ジュリエッタは何度も三日月とバルバトスに圧倒されながら、「なぜ彼らはこうも抗うのだろう」と自問しながら鉄華団と戦いました。バルバトスを討ち取った勝ち名乗りには、悲痛さすらありました。さらに、鉄華団との争いが集結した後も同じように、なぜ、と考え続けていたはずです。そして最終回Bパートの結論に到達する流れは、とても納得がいくものでした。ギャラルホルン側のキャラ描写で一番成功したのが、彼女だったと思います。

ほかにも、クーデリアの成長ぶりとか*4、怒涛の攻めで正妻ポジションをゲットしたアトラとか、大勢の登場人物をよく描ききったと思います。最終回で1カットでいいからアルミニアが登場してほしかったですね。そこがちょっと残念ですけど、キャラ描写に関してはとても充実していたアニメで楽しかったです。

*1:勝手に事件化

*2:こういう能力は、ガエリオにはなかった。

*3:なんだかんだでラスタルは野心家

*4:最終回の調印シーンは、双方ともいろいろ思うところはあるけれど、ということがよくわかる名シーン