覇、バクマン、アオイホノオの巻

覇-LOAD(原作:武論尊、作画:池上遼一

くどい、長い、つまらん。三拍子揃ってしまいました。登場人物を増やしすぎです。一人一人を丁寧に描こうとするとバランスが悪くなるし、かといって結構魅力的なサブキャラが多く(武論尊のいいところ)チョイ役ではもったいなさすぎる、という感じ。池上先生は今回いろいろ苦労してるっぽい。男装の麗人はワラタ。毎度のことながらセックスシーンが全然いろっぽくないのでつまんないです。池上先生の絵って超ストイックだから仕方ないですけど。それにしても、みんな簡単に妊娠しすぎ(笑)。まだ連載中ですが、先は読まなくてもいいかんじ。7巻くらいでおなかいっぱいです。

バクマン。(原作:大場つぐみ、作画:小畑健

何がやりたいのかよくわかんない。現代の「まんが道」をやりたいのかな〜という気もする。デスノートで対象年齢を上げすぎてしまった反動か、中学生を主人公に持ってきたが頭良すぎて全然中学生に見えないあたりが痛かった。設定がご都合主義かつ類型的なのは開き直りですかね。とにかく全体的にキレイに描きすぎで、リアリティに乏しいです。これももう読まなくていいかんじ。アニメ化されるそうですけど、絵が細かいので大変そう。これを読むと、ガラスの仮面の劇中劇ってうまいな〜としみじみ感心する。「さるマン」みたいに劇中まんがをちょっとでも見せてくれればいいんだけど。

アオイホノオ島本和彦

毎度のことながら、きわめて読者を限定する内容。1980年代にアニメ&マンガオタクだった人しかわからないネタが満載(笑)。庵野に対するコンプレックスがすごいのですが、あれを間近で見せられたら自信喪失するわ普通。あと、当時の若手漫画家に対する視点がおもしろいです。80年代中盤というのはニューウエイブが定着して、そこからどうやって一般的な展開を作るか?ということをいろんな人が模索していたんだけど、2大巨頭のあだち充高橋留美子を直球で語るあたりがすごいです。この時期のオタクだと大友克洋とかマニアックな方向性に価値を見出しがちなんだけど、あだち・高橋を引き合いに出すところで「あくまでもメジャーで勝負」という方針が見えます。