MDR-CD900STの解像度がスゴイの巻

最近さらにエージングが進んでいい感じに鳴っております。このヘッドフォンは解像度がとても高いのでほとんどすべての音が分離して聞こえます。
耳コピを諦めたアニメBGMをこれで聴いてみたんですが(全く採譜できそうにないのでお別れの気持ちで)、ごめんなさいわたしが馬鹿でした、今までのモニター環境(よりによってiMac内蔵スピーカー)がタコなだけでした。というかタコなことがわかっていたのに改善しようとしない自分の性格がイヤです。反省です。

  • 定位が明瞭で、オーケストラの楽器が鳴ってる位置がクッキリわかる。このため、トランペット、トロンボーン、チューバが順に並んでる様子がバッチリ見分けられる。つまり聴覚の情報が、視覚となって表現される。
  • 視覚的に分かれると自然に音色の違いも明確化する。人間の脳は聴きたい音を選び出し、そうでない音をオミットする主観的な機能がある。ブラス嫌いの自分は金管楽器がいつもダンゴ状態にしか聞こえなかったが、CD900STはそんな機能をリセットするがごとく剥き出しのサウンドを押し付けてくる。いままで聞こえなかった音が聞こえてくるのは妙に感動的。
  • 同様なロジックで木管セクションもきれいに分離する。やはりいままで音程差でしか判別できなかったオーボエファゴットも区別可能。厚い弦の合間から木管が聞こえる。これは生演奏ではまずありえないので、不自然といえばそうなのだが、耳コピにおいては非常にありがたい。
  • 驚いたことに、びよらも分離して聞こえる。別にびよらなんか分離してもしなくても大した影響ないんだけど、たとえばピアノ五重奏がリッチなアンサンブルなのは事実で、ごくまれにびよらが無いと困る。今回の耳コピ挫折の主原因が管楽器とびよらだったので、小さな音で遠慮しながら弾いてるびよらが聞こえるようになってよかった。びよら可愛いよびよらw
  • かように解像度が高いCD900STだが、欠点は低音域の弱さ。たとえばコントラバスの最低音域は「ゴリッ」という弦を擦った瞬間のノイズしか聞こえない。コンサートグランドの最低音域も同様。エージングが進まないと低音が出にくいらしいので(よくある話)、休日あたりに一日中鳴らしまくってやろうと画策中。
  • エージングしすぎるとヘタるようで、短期間(1〜2年)での買い替え必須という話。ちなみにこいつは安くない。
  • 以上により、演奏を楽しむという観点での音楽鑑賞には全く向かないヘッドフォンであることは確定。そもそもオーケストラを生で聴いてピンポイント的に楽器の位置がわかるなんてことは、指揮者の位置で聴かない限りありえない話である。