NHK-BSクラシック倶楽部カツァリスのリサイタルがすごかったの巻

冒頭の名曲メドレー即興演奏が白眉。ただし、実際には十分に作りこまれたアレンジだと思います。

    • さくらさくら
      • これだけが本当の即興だと思います。
      • カデンツァで3重和音の高速パッセージとか、最初から超絶技巧炸裂。
      • ドビュッシーとかラヴェル風味の和声です。
    • アルハンブラの思い出
      • 基本的には、原曲のギター譜をそのままピアノで演奏w
      • なので同音連打、重音連打の雨荒らしの超絶技巧。しかし、なにより奏でられる音楽が素晴らしい。
    • 悲愴(チャイコフスキー)第一楽章より
      • 同音連打の次はトレモロ攻撃。
      • このアレンジ、いただきました。
    • 仮面舞踏会よりワルツ(ハチャトゥリアン
      • ここからフィギュア・スケートファンが喜ぶ展開。
      • Bメロで1オクターブ飛ぶパッセージは3オクターブ飛ぶw
      • 原曲のようなデモーニッシュな雰囲気ではなく、軽いアレンジ。というか、リストがアレンジしたパラフレーズのような雰囲気。
      • ここだけ自分にもなんとか弾けそうなので、採譜するかも。
    • スパルタクスハチャトゥリアン
      • 音の間を高速アルペジョでつなぐタイプの編曲で、これもリストっぽい。
    • パガニーニの主題によるラプソディから、もちろん第18変奏(ラフマニノフ
      • スパルタクスからシームレスに入ってくるので「おおおおお」という感じに盛り上がる。
      • このあたりから一人オーケストラw
      • そしてカデンツァを挟んで客席を見て「ニヤリ」と笑って次へ。
    • ピアノ協奏曲第2番(ラフマニノフ
      • 冒頭の和音が鳴った時の聴衆の顔が見たいw
      • ピアノパートとオケパートを一緒に弾いてしまう。ひとりコンチェルトです。すばらしい。
      • 第一楽章〜第三楽章〜第二楽章の順においしいところどりの構成。
      • 第一楽章は提示部を全部オケ込みで弾ききってくれました。結論から言うと第一楽章がこのメドレーのハイライト。
      • 第一主題は、あの怒涛のアルペジョを奏でながら、オーケストラの旋律も一緒に弾ききる。すごいの一言です。
      • 浅田真央の演技が思い浮かぶよねえ。
      • 第三楽章は第二主題のみ。
      • 最後はソシミファソ(第二主題動機)のアルペジョで締め。アレンジの構成もさすがです。
      • 全曲完全版を激しく希望。

ピアノはヤマハCFXでした。CFXは音の持続時間がスタインウエイより長く、音響に厚みがあるので、オーケストラっぽい表現をするのに適していると思います。
全編にわたって、複数の音色を同時に操って多声部を弾き分けるなど、とにかく超絶技巧なんですが、技巧が前面に押し出されることが一切なく、自然な演奏表現として成立していました。以前生演奏を聴いたことがありますが、さらに上手くなったと思います。この放映を見逃した人は、地団駄踏んで悔しがってください。でも、再放送されるでしょう。
なお、下記日程でラジオでの放送はされる模様。

2014年4月30日(水)
19:30〜21:10
NHK-FM「ベストオブクラシック」