今日のフォトムジーク(reface CS版)進捗の巻2

ひととおり録音終了したので備忘録。
reface CS や Neutoron(プラグインエフェクター)の音が良すぎてサウンドがパワフル&ゴージャスになりすぎてしまうので、dbx 160A を適宜使いつつ録音を進めた。薄めのサウンドって案外難しい。

エフェクトはなるべく reface のものを使うコンセプトなので、かけ録りになっている音が多く、ちょっとディレイが効きすぎの音色があるのでこれはあとで修正。ディレイ音の高域を下げたいけど、そこまで調整できない。

全体的な雰囲気はかなり似せられていて、16分音符のシーケンスフレーズの音色もうまくできたし*1、左右に飛ばすディレイは Performer のプラグインで再現できたし、概ね想定どおり。

コードバッキングの音色は何度やり直してもだめで、どうしても決まらないので明日以降に持ち越し。この音色はSC-88でやったときも、INTEGRA-7でやったときも苦労している。矩形波+オクターブ上の三角波だと思うが、このコンビネーションが reface では作れない。ただ、ここで苦労するのも想定どおり。

refaceの音色作成の予行演習をしたとはいえ、とりあえず全音色の準備&レコーディングを1日でできたのはなかなかすごいのでは?(自画自賛

INTEGRA-7のSNシンセ音源は立ち上がりが遅いし、レイテンシーもあって苦労させられたけど、reface CS は立ち上がりが速すぎるので意識的にアタックを遅くするようにしないとだめだった。アタックのニュアンスを緻密に調整できるのはいい。驚くほどパラメータが少ないけど、痒いところに手が届くシンセって言えるかも。

*1:INTEGRA-7では失敗している

今日のフォトムジーク(reface CS版)進捗の巻

使い慣れているものがいいと思ったので Digital Performer でレコーディングを開始しました*1。いままでほとんどデジタル to デジタルの録音で、本格的にアナログオーディオから録音するのは20年ぶりくらいだったので。

とりあえず今日はドラムとベースだけ録音しました。ハイハットの余韻を切るためにiZotope Neutron2 のゲートを使用します。パラメタが細かく調節できる上に、効果を視覚的に捉えられるので設定作業がスムーズにできます。ドラムセットのゲートはDP付属のゲートを使いました。

シンセはモノラルで録ってエフェクトで広げるのが基本コンセプトなので、ベースはアナログ系のコーラスを薄くかけてステレオにしました。

細かなエフェクトはトラックが揃ってからまた見直すので、とりあえずザクザク録っていこうと思います。なお演奏データは以前INTEGRA-7でやったものを流用しています。同じ数の音が同じように鳴らないと比較にならないからねw

reface CS はSNが良いので、多重録音でノイズがシャーシャー聞こえるようなことにははならなさそうですが、念のためノイズゲートを挿そうと思ってます。

*1:Cubase AI を使おうとは思わなかった。

ヤマハ MONTAGE を16パートマルチティンバー音源として使ってみたい(希望)の巻

MONTAGEはマルチティンバーの使い勝手が悪いと言われておりますが、カタログにはしっかり16マルチティンバーと記載されていて、エフェクトも16系統独立で使えるようになっているので、これを生かさない手はないと思っています。

MONTAGEは「パフォーマンス」という概念が音色の単位になってますけど、構成がとてもゴージャス&ユニークです。このパフォーマンスがそのままマルチティンバーになります(と思います)。

1パフォーマンス=16パートから成り立つ。*1
1パートあたりAWM*2エレメント8つ または FMX*3オペレータ8つを用いる。

という割当になっています(たぶん)。なおプリセットでは最大8パートまでしか使われていません。AWMのパートあたりのエレメント数が多い理由は、ベロシティ違いの波形をズラッと並べることが目的らしいです。*4

とりあえずフォトムジークは演奏させてみようと思っていますけど、AWMを使っちゃうと面白くないのでFMXだけで音を用意しようと考えています。以前SY77を所有していたときにAFM音源をあまり使いこなせなかったので*5リベンジしたいです。もうちょっとマニュアルを読まないと機能を把握できないので、浅倉大介氏を見習って後ろからマニュアルを読もうと思いますw

 

※メモ

・基本方針
FMで倍音の多い波形を作ってフィルターで加工する。FMでは倍音変化は作らないようにする(パラメータが多くて大変だから)。*6

・PWMっぽいサウンドの作り方
キャリアを固定周波数にして、その上に2OP重ねて周波数比2:1で矩形波を作って流す。このタワーを2つ用意。余った2OPは周波数比1:1。

・ホワイトノイズの作り方
要検討。FMXモジュレータのみにLFOが使える。

※余談
8段階のベロシティ違いの波形を並べるのはダサい。サンプリング波形からの推測演算(たぶん)で127段階の波形を作り出すRolandのSuper Natural音源を見習ってほしい。FM、VL、AN、いずれにしてもヤマハの音源開発は原理主義すぎるんだよね。いいところ取りしてください。

*1:このときパート1から1ch, 2ch, ...と自動的にMIDI受信チャンネルが割り振られる。すなわちマルチティンバー。また全部のパートを同じ受信チャンネルに設定することも可能。ただし設定できるパターンはこの2つだけで、各パートを任意のチャンネルには設定できない。(はず)

*2:PCM音源

*3:FM音源

*4:だんだん書き方に自信がなくなっていく

*5:パラメータがやたらと多く操作性が悪すぎた。

*6:こういう割り切りが大事

dbx 160A 購入の巻

reface CS 用にヤフオクdbx 160A(コンプレッサー&リミッター)を購入。状態は良かったです。

フィルターエンベロープを効かせたシンセベースなどはオケに混ざるとアタックしか聞こえなくて低域が物足りなくなりがちですが、そういうときにコンプを使って減衰部を持ち上げると、バランスのいいサウンドになります。

以前は旧モデルの160XTを使っていましたが、あまりシンセには使っていなくてボーカル用途が主体でした。ほとんど音源が残ってないんですけど、下の動画のインスト曲のベースと、最後に入っているジングルのコーラス録りで使ってます。

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コーラスはcamp, 95(ninty five)と言ってるだけですが、" ナインティ・ファイヴ " というニュアンスにこだわっていて、この最初のンを拾うためにかなり強くコンプをかけてます。

ということで、さっそく reface CS で使ってみたんですけど、CSの音の立ち上がりが速すぎて、コンプレッションの動作がついてこれないことが判明*1。すこし立ち上がりを遅くした音を入れてあげるといいかんじです。あと昔は気にならなかったんだけどやはり微妙に音が痩せるので、それを織り込み済みで使ったほうがいいなと思いました。そして1:∞のコンプは相変わらず気持ちいいですね。

*1:このコンプはアタックタイムを調節できません。

橋本治が好きだったの巻

どこで知ったのか忘れちゃったけど、1980年代に桃尻娘シリーズを読んで、その中のBLエピソード(木川田君x磯村君)に非常に感動して、橋本治の大ファンになってました。

社会人になってからは彼の講演会とかも聞きに行ったりしたんですけど、延々編み物の話をしたり*1、LG(BT)界隈の際どいエピソードやらなにやらを面白おかしく聞かせれくれたり、とにかく頭の回転が速くて、人を楽しませることが好きな人だなという印象でした。

90年代ころのサブカル界隈(今のサブカルとは全く違います)の人はたいがい橋本治を読んでいた印象があります。私も今日ツイッターを検索して知ったのですが、クチの悪いオネエ様がたは「最近の若い子は橋本治を読まないからバカなのよ」などと言っているようで、橋本治は20世紀末~21世紀初頭において一部の人たちの思想的支柱になっていたのではないか?とか、やや大げさなことを考えてしまいました。

ということで、桃尻娘のBLエピソードの本を紹介。 

当時はまだBLなんて言葉がなかったけど、この本と、これに続く「桃尻娘無花果少年」は普通の男の子同士の友情~恋愛模様を自然体で描いた傑作だと思います。最初はゲイの木川田くんが一方的にノンケ友人の磯村くんを好きになるという、今の時代ならよくあるBLですが、木川田くんが学業に専念し始めて磯村くんへの想いが昇華してきたあたりで、磯村くんが木川田くんのことが好きだと自覚してとんでもない行動に出る、という流れになっています。

アパートのベッドで一緒に眠る二人、冷蔵庫には木川田くんが買ってきたプリンが2つポツンと並んでいる・・・という描写に感銘を受けたのでした。寂しさと愛おしさの混ざった感情の表現としては、これ以上ない描写だと思います。それでいろいろあってめでたく(?)二人はカップルになるんですけど、決してべたべたした付き合いではなくて*2、でもふとしたきっかけで磯村くんが「僕はやっぱり木川田のことが好きなんだなあ」とか零すのが本当に尊いと思いました。愛ですねえ。

なお作者によると木川田くんには自分が投影されているという話です。じゃあ磯村くんは誰なのでしょうね?残念ながら、永遠の謎になってしまいました。

最後に「紅い夕日の無花果少年達(いちじくボーイズ)」より、いまでも忘れない一節を引用しつつ、ご冥福をお祈りしたいと思います。

僕にだって素敵な未来があるって思えてきた。だから「またね」

 またね。 

*1:橋本氏は編み物名人

*2:ただの友人だった頃の延長線上ということがよく伝わってくる

高田馬場管弦楽団 第93回定期演奏会の巻

久しぶりのババカン。杉並公会堂での演奏会でした。

ショスタコーヴィチ 祝典序曲
シベリウス 交響曲第5番
・カリンニコフ 交響曲第1番

・アンコール:カリンニコフ 交響曲第1番より第二楽章+第四楽章抜粋

ラフマニノフが支援したということで名前だけは知っていたカリンニコフ。曲を聞けばすぐわかるように、チャイコフスキーラフマニノフをつなぐ人でした。対立的な2つの主題がフィナーレのコーダで同時に演奏されて盛り上がるという構造は、ラフマニノフの協奏曲や交響曲にそのまま受け継がれます。

ただ自分的にはシューベルトのような和声進行に心を打たれました。ここでその和音を使うか~というようなことをやるんですけど、それを絶妙に強調する演奏が良かったです。

譜例は第四楽章のラストで、ト長調トニカへの移行の途中でE♭の音を入れてくるのがポイントです。減五度の跳躍でE♭を強調していますね。♭六の音です。これはフラットさせないふつうのEだと明るく前向き一直線な印象になるけど、フラットさせることでハ短調の切ない響きが生まれます。さらにA(ハ短調の六の音)が入っているので哀しいだけではなく、泣き笑いのような絶妙な哀愁が表現されます。たった1発のコードでそれが表現できます。つづいてフラットを取ったEをバンバン使っていよいよ終わりに向かうのですが、そこで二度目に出るE♭。今度は内声に隠れて上がAになるので、笑いの中にちょっとだけ痛み。その痛みすら肯定するかのようにシに上がってからソで終わるという流れです。

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最後の二分休符についているフェルマータまでちゃんと表現していたのもよかったです。余韻は大事。青春の回想の曲なのでしょうか。

あと指揮者の方の感性だと思いますが、アンサンブルを合わせることよりも各パートの流れを重視していたので、音楽に躍動感があってよかったと感じました。

ベートーヴェンシューベルトの器楽の違いって、こういう部分だと思うんですね。完全勝利で終わるベートーヴェンと、痛みを残すシューベルト。カリンニコフが参考にしたと思われるチャイコフスキー交響曲5番も最後は大勝利で終わるんですが、カリンニコフにとってこの曲は初の交響曲ということで、一捻りしたかったのかもしれません。

ヤマハ reface CS でフォトムジーク制作中の巻

reface CS 購入直後にいくつか音色を作ってみて大丈夫ということがわかったので本格的に制作に入りました。といっても今日はドラムがメインです。しかもドラムはINTEGRA-7です。前回INTEGRA-7でやったドラムがいまいちだったので、リベンジなのです。

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前回の設定データが使えなかったので(汗)、ゼロベースでドラムを用意しました。用意するのはスネア、ベードラ、タム3つ、クローズド・ハイハットです。

※ドラム関係
・スネア
コンプ・EQ・フランジャーというエフェクトルーティングにしました。前回はコンプ・EQ・ゲートでしたが、SuparNaturalドラム音源だと音源自体の設定で余韻を切ることができたのでMFXをゲートでなくフランジャーにしました。コンプとEQのセッティングもかなり大胆に変えて、アタックを潰してます。
・タム
タムもコンプ+EQ+フランジャー。スネアほどは潰していない。PANは原曲にあわせて極端に振ってます。
ベードラ
コンプ+EQのみ。余韻は切ってます。
ハイハット
コンプ+EQ+フランジャーハイハットは今回はSuparNaturalドラムを使って余韻を切って、スネアと同じように音を作ってます。

なおreface CSをマスターキーボードがわりに使いながらドラムの音を作りました。ベロシティマッチングもローランドのキーボードよりも良いくらいwいつのまにかヤマハのキーボードでローランドの音源を問題なく使えるようになっていたんですねえ。時代は変わるもんだ。MONTAGEのコントローラもアサイナブルだし、いままで使ってきたローランドのA300-PROは引退かもしれないです。なおこいつでないとできないのはノートオフ・ベロシティとポリフォニック・キープレッシャーだけ。

 

※シンセ関係
シンセ関係はreface CS付属のコーラスとフランジャーはかけ録りの予定。
教授もYMOも素の音を録音してMIXのときにエフェクトかけてるんだけど、DAWでエフェクトを操作するのが面倒だし、フランジャー込みで音色を作っているところがあるのでかけ録りにします。

シンセは冒頭のシンセパーカッションとノイズとベースがポイント。
ノイズ系の音色がいろいろありますが、フィルターとレゾナンスの設定を変えてバリエーションを生んでいるのでそのへんを丁寧にシミュレート。ベースはADSRのDの設定が生命で、コンプを通すとニュアンスが変わるのでかけ録りにしようか迷ってます。以前使っていた dbx 160A を買わないといけないのだが4万円の出費。コンプはアナログ機材のほうが慣れてるので買っちゃおうかと(;´∀`)

難しいコード進行を採譜。真ん中の段だけ弾くんだけど、Propeht-5は5音ポリなので5音で弾けるボイシングになってますね。