「ダンテを読んで」難所の巻 その2

ポジションの悪い和音


9度の和音です。この部分は左手に9度和音が連続し、手の小さな人には非常に厳しい箇所になっています。私はさほど苦労しないのですが、それでも楽譜に掲載した和音を左手1本で弾こうとすると5と3の指を無理に拡張しなくてはならず、かなり苦しいです。幸いなことにテンポを落として弾くので、和音の最上音を右手で取ることで解決します。左右の手の位置がさほど遠くない場合は、こうやって音符配分をやりなおすことで局地的に難しい音型を回避していくと弾きやすくなると思います。

跳躍しながら左右で交互打鍵


おそらくほとんどの人にとって最難関となるであろうフレーズがこれです。よくまあこんなフレーズを考え出すものだと感心しますが、ちょっと楽譜を見れば気づくように、ここは一種のカノン(輪唱)です。純粋なカノンではなく、数オクターブ離れたエコー的なトレモロと考える方がいいかもしれません。旋律だけでなくバスの動きもカノンになっていて、ホモフォニックなフレーズを両手時間差攻撃で弾かせることでポリフォニックに展開するのが主眼のようです。しかしご覧のようにテンポはPresto。これはどうにも無理そうなので、私は思い切りテンポを落としてここに入って、徐々にテンポを上げつつ最後の1ページを爆速で弾ききる方針でいます(いまのところは)。