SLEEPWALKERS:社会復帰したDavid Sylvianの巻

9月に出ていたのにお勉強が忙しくてすっかり忘れており、先月ようやく購入しますた。私はシルヴィアンに関しては例のマナフォンがあんなすごいことになっていたので「もう好きなことやっていいよ〜(泣)」という悟りの境地に突入していたんですが、このコンピはびっくりするくらいポップ寄りに引き戻されていて(注:これがこの人のポップです)めっちゃ聴きやすい。その上、今では入手困難なコラボの曲も入っていて、お得感が倍増です。
まあでも、何度でも書きますけど、この人は歌ったら勝ち。歌ったら無敵(笑)。でもサウンドは美意識という名のATフィールドでしっかりと構築されていて、一部の隙もない。20世紀のこの人と違うのは、ATフィールドが少し開いていて、ココロの内側をちょっとだけ見せてくれること。はにかんだような素敵な笑顔とともに。
人間、変わるんですねえ。こうも変われるんですねえ。30年前くらいは触ったら刺されそうなほどトゲトゲしい音楽をやっていて、でもめちゃくちゃ綺麗なので(なにしろ世界一美しい男)みんな遠巻きに誉めていたんだけど、徐々に変わってきて、トゲがなくなった。単に丸くなったとかそういうレベルでなく、「虚構という名のATフィールドが不要になったので脱ぎ捨てました」という感じ。この人は、歌っていても精神的にはずっとヒキコモリ状態だったと思われるのですが、Dead beesあたりでそこから離脱して、21世紀になったら突如として社会復帰、みたいな。われわれファンのためにも、末永く歌ってくださいね。