スタインウェイのグランドピアノがやってきたの巻(その1)~選定について

ピアノ部屋にピアノをお迎えすることができました。ハンブルクスタインウェイB-211です。しかし当初はスタインウェイを買うつもりはなかったのです。自分は20年くらい前から新品や中古でいろいろなスタインウェイを弾いてきましたが、手に入れたいと思うピアノがほとんどなかったからです。でも下記の安倍元首相の動画がきっかけでスタインウェイもいいなと思って、改めて候補にしました。

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どんなピアノを買うにしても、高い買い物なので選定はかなりシビアにやりました。自分は普段からDTM環境でIvory IIや3といったフルコンのサンプリングピアノを弾いているので、低音域が貧弱だと満足できないと思いました。そのため日本製であれば5型以上(長さ2m以上)のグランドピアノになるだろうと思っていました。
そしていろいろ試弾した結果、結局スタインウェイになりました。詳細については下記の日記を参照ください。

 

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スタインウェイになった要因は、自分がやりたいことに対してしっかりと応えてくれるからです。自分の予想を上回るすばらしい反応を示すことも多々あって、これがとても嬉しいんです。子供の頃に弾いていたカワイのアップライトやその後のデジタルピアノ、そしていまのDTM環境に至るまで、自分のやりたいことに十分に応えてくれないピアノが多く不満を抱えていたこともあり、思ったように弾けるピアノがほしいとずっと考えていました。

さて、実際のピアノ選びの話になります。
上記のとおりスタインウェイを含め中古で良いと思えた海外製のグランドピアノはほとんどありません。自分が試弾してこれはいいなと思った中古ピアノは2台あり、どちらも1910年代のニューヨーク・スタインウエイでした。ただいろいろと気になる問題があり購入には至りませんでした。
ヤマハC3XやカワイSK-2といった日本の新品ピアノがどれも立派な水準にある中で、海外ブランドの中古ピアノはショップによってまるで音色が異なる上に、自分の好みにマッチする確率があまりにも低いのです。今年の春先にも何ヶ所かのお店を訪問しましたが結局気に入るピアノが見つからず心身ともに疲れてしまったので、中古は諦めて新品に絞って検討することにしました。

まず南青山のスタインウェイ・ジャパンに行ったところ、MとAとBが1台ずつありました(アップライトのKもありました)。スタインウェイのグランドピアノは小さいモデルからSMOABCDとなり、家庭用ではM~Bがよく売れています。大きなピアノほど高価になりますので、Mで満足できればそれに越したことはありません。

しかしスタッフの方にMはニューヨーク製でありお勧めできないと暗に言われました。スタインウェイはドイツのハンブルクと、アメリカのニューヨークの2箇所で製造されていますが、ニューヨーク・スタインウェイは品質が悪いのです。実際、試弾したMは高音域がキンキン響きすぎて耳が痛い音色でした。ということで選択肢はハンブルク製のO・A・Bの3択になります。南青山にあったAとBは目の覚めるような鮮烈な音が出るピアノで甲乙つけがたかったです。しかしどちらも音量が大きすぎ自分ではコントロールしきれないと感じたので一旦保留しました。またアップライトのK-132の音が非常に素晴らしく、しかも試弾時にかなりうまく弾けたのでスタインウェイにしたいなという思いが強くなりました。その直後にカワイでSK-7を再び試弾させていただき、低音は素晴らしいものの中高音域の華やかさが今ひとつと感じたことも大きいです。また試弾に同行してくださった方もスタインウェイのほうが圧倒的に自分に向いているという意見でしたので、スタインウェイでほぼ固まりました。あとは自分に合ったピアノを探すだけです。

ということで、次に高崎のピアノプラザにあるスタインウェイセンターで試弾しました。こちらはOとAが2台ずつ、Bが3台あって比較できました。Oはサイズの割には豊かな音が出ますが、低音域が弱いと感じました。アップライトのKと大差ありません。Kのポテンシャルの高さがおわかりいただけると思います。AはヤマハのC3とほぼ同等サイズながらS6X並の低音と大音量が出るピアノです。ただ南青山のお店と同様に鳴りの良さを全面に出しすぎているようでピアニッシモがうまく弾けません。Bのほうがピアニッシモが弾きやすいです。そして3台あったBの中で最もピアニッシモの表現力があったものを選択しました。高額でしたがなんとか予算内でした。ちなみに自分が契約したあとでさらに200万ほど値上がりしました。これだと予算オーバーなので思い切って契約してよかったと思ってます。

というところで選定~契約のお話はここまで。次回は納品の様子と初期調整、および実際に弾いてみた感想を書きます。