ピアノの音色と打鍵速度の巻

歴代のピアノの先生いわく、自分は打鍵速度がかなり速いようです。

病気やブランクもあってだいぶ打鍵速度は落ちたものの、グランドピアノを購入してから毎日練習を積んできたことで再びタッチの力強さと打鍵速度が戻ってきました。

そこで問題になるのが『左手の伴奏がうるさい』という現象です。

なかなかこの問題の対処が難しかったのですが、いろいろやっているうちに、意識的に打鍵速度を遅くするとよいということに気づきました。そこで遅い打鍵速度を維持しつつ、徐々にテンポを上げて速いパッセージを弾く練習をしています。具体的には月光第三楽章やモーツァルトソナタなどに出てくる左手のアルベルティ・バス(ドソミソ音型)の練習ですね。

ポイントは微妙に鍵盤に対してわずかに圧力をかけるイメージで、打鍵前から指を沈めておくこと。遅い打鍵で速いパッセージを弾くには打鍵距離を最小にしないと間に合わないので、気持ちとしては2~3mmしか指を動かさないことを意識します。また鍵盤も完全には戻さず、できるだけ半戻しの状態をキープします。これで雑音が減りピアノの響きが抑制されます。そして大幅に音量が下がっているにもかかわらず、むしろ1つ1つの音が際立って聞こえてくるようになります。

キーシンとかは確実にこういう奏法をやっているのですが、やはりすごく難しい技術なので、次の調律のときにハンマーに針を刺して音を柔らかくしてもらおうと思ってます。響きすぎるピアノに大人しくなってもらいます(笑)