ルルの原罪の巻

ブレイバーンの話だっピ。

壮絶な戦いの末、デスドライヴズとブレイバーンは相討ちになったっピ。地球に平和がもたらされたけど、イサミもブレイバーンも死んでしまったっピ。しかもブレイバーンはスミスだったっピ。わたし2度もスミスを死なせてしまったっピ。こんな結末、認めないっピ。ブレイバーンのコアを使って時間を巻き戻してやりなおすっピ。

まずはイサミが一人で突っ走るのを止めなくちゃ。

佐竹のおじさんから習った絞め技で落としたっピ。パイスー脱がせてスミスの部屋に放り込んだから時間稼ぎできるっピ。いまのうちにおじさまに乗らなくちゃ。

(乗れました)

これでイサミもブレイバーンも死なせずにデスドライヴズを倒せるはずだっピ。

もし失敗したら未来の人類も全滅になるかもしれないけど、またやり直せばいいだけだっピ。

 

ルルのこんな暗黒面を微塵も感じさせない演出がすごいっピ!

「戦場のメリークリスマス」のアップデート版楽譜の巻

score-jp.sitesakamoto.com

上記のオフィシャルサイトで最新版の楽譜が出ていたので購入しました。
戦メリのテーマや、その派生曲であるボーカル入り"Forbidden Colours"(ボーカルのデヴィッド・シルヴィアンがイギリス人&戦メリの主人公もイギリス人ということでイギリス英語)は1996年~97年のトリオライブで演奏したアレンジで統合されていて、教授のピアノソロ演奏もその頃から晩年までほとんど変わっていないのであまり期待しないで買ったら、やっぱりそのとおりでした。つまり1997年以降の演奏です。

戦メリのオフィシャルな楽譜は1983年に出た「Avec Piano」なので、いろいろアップデートは入ってます。その中で重要なのが下記の16分音符刻みです。

実は原曲の弦楽器は16分音符になってます。しかしAvec Pianoは全部8分音符になっていたんですよね~。自分は勝手に16分音符にして弾いていましたが、オフィシャルでもそうなりました。

あと笑えるのがpiu mossoで始まるところですね。
前述のトリオのワールドツアー中に楽曲のテンポやアレンジがどんどんアップデートされていって、この部分で加速するようになったようなのです。そしてイタリア公演で戦メリを演奏したらすごい盛り上がって、最前列に陣取った男の子たちがこのパートで一斉にヘッドバンギングを始めたという逸話を教授自身が披露してくれましたw

他の差異としては、トリオでチェロが弾いていた対旋律が反映されていますし、終結部も変わっています。難易度はAvec Pianoのものと大差なく、ソナチネ程度の腕前でも十分に弾けます。

なおオフィシャルストアには他の楽曲もありますので、興味がありましたらごらんください。

特異点ブレイバーン(ルイス・スミス+クーヌス)の巻

ブレイバーン考察です。

ブレイバーン9話のネタバレがあるのでご注意ください。

 

 

まずループ系作品の特徴をおさらいします。時間を巻き戻せる人はループした多重セカイの特異点になり、特異点を消さない限りループから抜け出せない。これがSFのお約束です。ループものを明確に描いた初期の日本のアニメが1980年代に作られた超時空世紀オーガスうる星やつら2ビューティフル・ドリーマーです。近年だとシン・エヴァンゲリオン劇場版が該当します。

エヴァは旧劇場版のラストシーンで特異点碇ユイ碇シンジ)が生存しているのでやり直し可能です。シンエヴァはそれを打開するためにいろいろな人や勢力が動くお話で、最終的にはシンジが自分自身を抹消しようとする→ユイが肩代わりする→ユイが消えると息子であるシンジも当然消える→消え去る前にマリが違うセカイに連れ出す→実はこれがユイとマリの計画でした!という形になりました。ここまでに何度もやり直しているらしいことは、マリやカヲル(カヲルは明らかにループを認識している)が最初から達観しているのと、シンエヴァのラスト近くでマリがイマジナリーなセカイからシンジを連れて脱出するときに「やったー!」と大喜びしていることからもわかります。

ブレイバーンも当然、何度もやり直していると思います。やり直しているのは主にクーヌスでしょう。彼女(?)は満足できる最期が迎えられなかったら、やり直せば良いのです。真っ先に母船を破壊しているのも、あれがデスドライヴスにとって特異点であるからです。クーヌスのループはおそらくこんな感じです。

1:ブレイバーンが現れず早々に人類滅亡。これを何度かやり直す。
2:何度かやり直すうちにスミスと相討ちになるルートに突入する。しかし母船で再生してしまうのでやり直し。ここでスミスに目をつける
3:母船を破壊してからスミスと相討ち。しかしクーヌスと融合したスミスがやり直し。
4:アニメの展開に突入。この時空のクーヌスは満足できる最期を迎えられるので、スミスのやり直しを阻害せず何度もスミスとともにループする。

さて、問題は現在放映中のアニメです。おそらく、ループから離脱するエンドになると推測します。つまりブレイバーンは消滅することになります。

現在のアニメの展開でそれまでのループと違ってくる要因は、おそらくルルだと思います。ルルは最初からブレイバーンの正体がスミスだということを本能的に気づいていて、9話でそれが確信に至ったと思われます。ルルは、スミスをブレイバーンから(=ループから)救い出そうとするでしょう。ただスミスの肉体はすでに消滅しています。どうするのか、今後の展開が楽しみです。

平均律集第1巻第5番の巻

5番は前奏曲が難しいので後回しにしています(腕の交差が苦手)。フーガは弾きやすいですのでたまに弾いているのですが、今日は真剣に弾いたところ、良い感触を得たので真剣に仕上げようと思いました。

このフーガは4声ながらポリフォニーとしての難度は相当に低いです。初見時も思ったより弾けましたので、平均律集1、2巻の全曲の中でも難度が低いフーガと言ってよいと思います。

ご覧のように、4動きのある声部が1小節に1つしかない状態が続くため、ポリフォニーに不慣れな人でも譜読みは容易です。

演奏のポイントは32連符フレーズです。最初の小節は5の指で弾き始めるしかないのですが、レミファソファミファレが3435という動きになってバタつきます。完全にこの指の強化を目的とした練習曲ということがわかります。ツェルニー30番練習曲集に似たような課題があることからもわかるように、難度はツェルニー30番と大差がないです。なので自分でも初見で弾けるわけ。

もう一つのポイントが付点音符の弾き方です。3:1でなく5:1くらいで弾く人が多いです。7:1だと鋭すぎると思います。これがバロック奏法のお約束なんですが、8つの32分音符のどこに16分音符をいれるか?というのはけっこう悩ましいので、暗譜できるまではひとまず3:1で弾く方針です。

ちなみに、終盤は下記のように下声部を順次下降させてます。現代のポップスにも通じるキャッチーな進行です。しかしフーガの構造を放棄してとにかく曲を終わらせようとしているのではないか?とも思うのです。

こういうところが、バッハにしては拙い感じがしないでもないです。

平均律集第1巻を弾いていると、楽曲によって音楽の密度がかなり違うことに気づきますが、このフーガは相当に密度が低いです(だから弾きやすい)。ひょっとすると、ヨハン・セバスチャンの息子であるフリーデマンが書いたかもしれないと疑ってます。当時フリーデマンは12歳です。彼は幼少期から父親からの教育を受けていますので、このくらいは書けそうな気もします。

ババーンと推参!バーンブレイバーン/双炎の肖像の巻

TVアニメ「勇気爆発バーンブレイバーン」 ババーンと推参!バーンブレイバーン/双炎の肖像 - EP - ブレイバーン(CV.鈴村健一)/イサミ・アオ(CV.鈴木崚汰)/ルイス・スミス(CV.阿座上洋平)のアルバム  - Apple Music

ブレイバーンのOP/EDのCDです。ヨドバシ.comで予約して無事フラゲしました。

音楽マニア的にはいろいろ気になるところがあったのですが、結論からいうと、予算をかけてない制作ということがわかりました。大張監督がCygamesがかなり予算を出してくれたというような話をしていたので多少の期待はあったので少々残念です。

具体的にどのあたりが低予算か(というかセコい)というと、

金管楽器がトランペット、トロンボーン2本ずつ。ホルンがないのは低予算ならでは。
・コーラスがたった2人(!)
・ストリングス(弦一徹ストリングス)はヴァイオリンだけ多そう。

気になる人はこのあたりの情報をインプットした上で聞いてみましょう。

なお楽曲自体は、とにかくフルで聞け!以上です。

アレンジはシンセサイザーが存在しなかった時代の戦隊ものオマージュということが大きな特徴になっています。上モノはストリングスが中心になります。ホルンが無いので、よくわからない音(後述)が中域で鳴ってます。またロック方向にならないようにギターは控えめです。


1.ババーンと推参!バーンブレイバーン

イントロのシ・ミ・ラ・レと上がるストリングスからヴァイオリン8人が確定します。(4人で2回演奏した可能性もあり)。いずれにしても、けっこうな大編成です。ドンドコ鳴ってるパーカッションは私も使ってるプラグイン音源だと思います。ブラスアレンジは振り切り&割り切っていて、トランペット2声、トロンボーン2声をオクターブ配置で単純化することで、スピード感を出しています。

そしてバーンバーンババーンブレイバーン!のあとのインスト部分がすごく重要です。ここでチェロとヴィオラの刻みが聞こえます。ヴィオラが聞こえるのは珍しい。またトランペットがH音まで到達します。ボーカルの鈴村さんブレイバーンの意見でキーを下げたそうですが、これ以上キーが高いとトランペットがかなり大変になりますので、ナイス判断だと思います。

Aメロに入るとエレキギターの刻みが入ります。さらに薄いエレピらしき楽器がギターのコードをなぞります。これがよくわからない音その1です。このコードのあるなしでAメロの哀愁感が段違いです(これがあるから2コーラス目が泣ける)。合いの手のコーラスやボイスは2x2でエフェクトをうまくつかってその2倍の人数くらいに聞かせています。
Bメロはブラスがあからさまにコードを吹きます。
サビは右チャンネルにウ~ウ~ウ~という2声の謎の音が入ります。これがよくわからない音2です(たぶんプラグインシンセのチェロと、生のチェロ)。ここでヴァイオリンは高音で対旋律を弾いていて、ブラスは合いの手に忙しいのでコード感が希薄になります。普通ならホルンがファーファー吹くところをよくわからない音で代用した形になります。

短い間奏を挟んですぐ2コーラスに入るのは最高です。
2コーラスの歌詞は深読みできるのでぜひ聞いて下さい。
2コーラス後に泣かせるトランペットのソロが入ります。これもキーを下げなかったら(以下略)

最後はフェードアウトでなくヴィシィッ!と終わります。

 

2.双炎の肖像

エンディングの映像がアレでコレなのでイロモノに思われていますが、フルで聞くとメチャクチャ泣ける名曲です。これ最終回に流れたらやばい。

(このEDは作画も撮影技術も本当にすごいです)

まずイントロは、チェロのギコギコ音がすごいですw
この曲は全体的に弦が厚くて、Aメロもチェロがかなり歌います。ブリッジ的なBメロでエレキギターが入るのが面白いです(まともなエレキギターはこれだけ)。サビはコーラスをメロディより下の音程で付けて厚みを増しています。間奏でやっと金管が入ります。
2コーラス目はAメロのあとでウテナ絶対運命黙示録みたいな展開が入ってからサビになります。
そのままCメロに突入して(ここが泣ける)、落ちサビ(もっと泣ける)からのラスサビ、という王道のバラード形式で幕を閉じます。

歌の分担は歌詞カードに書いてありますが、一貫してルイスが先行してイサミが追っかける形になっています。必見ですね。

 

ブレイバーンはヤマトよ永遠にREBEL3199までの暇つぶしちょうどいいと思っていたのですが、予想以上にドハマリしてしまい自分でも困惑していますw

打鍵力が上がってきたの巻

ルーチン練習の全調スケールを、できるだけ小さい動作で、なおかつフォルテで弾き続けるようにしたら目に見えて打鍵力が上がってきました。いままでピアノに押し負ける感覚がありましたがそれがなくなり、鍵盤も重く感じなくなってきました。それに伴って気づいたことがあるのでちょっとメモ。

まずラフマニノフが気持ちよく弾けて、モーツァルトで苦労する理由が判明しました。

1.ラフマニノフを弾くときは指・手首・肘・肩まで総動員で弾きますが、モーツァルトは肘から先で弾いていました。
2.ラフマニノフダイナミクスが100とするとモーツァルトは50くらいでした。自分の演奏の解像度が16段階としてあてはめると、モーツァルトは8段階しか使えないことになります。その程度の解像度で演奏を作り上げるのは無理があります。

あと、ショパンソナタ2番も改めて譜読みしてみましたが以前より楽に弾けそうです。すっかり忘れていたのでゼロから譜読みしている状況ですが、ソルフェージュ力が上がっているので譜読み自体があまり苦労しないのと、ソナタなので楽曲が理解しやすいことが大きいです。それと基礎的な演奏技術が上がりました。

このソナタは細かくて速いフレーズがないかわりに、幅広い音域を難なくカバーする能力が要求されます。この能力が低いとかなり演奏がつらいです。たとえば冒頭の第一主題の左手。

なかなか嫌な感じです。でもこの程度で苦労するようだと、その先は弾けません。

以前はこの左手の減七+減十度の重音アルペジオがしんどかったのですが、今は普通に弾けます。

なぜ弾けるようになったのか。
それはドホナーニのメソッドにある減七系の課題を練習したからです。こんな感じです。

このバリエーションを半音ずつ移調します。
このメソッドは、ピッシュナよりも効くと思います。

ちなみに第二主題も広い音域を確実に弾かなければいかないです。

第一主題は運動性が高いため勢いで弾ききれるところもありますが、こちらは確実に音を掴む必要があります。自分的にはこちらの方が難しく感じます。

夢中夢の巻

 

コーネリアスの新しいアルバムです。

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この動画に小山田さんが出ていて、流れた曲がとても良かったので買いました。この動画の中でも、高橋幸宏さんや坂本龍一さんなど、小山田さんが注目していた人や影響を受けた人たちが亡くなっていく話をしています。アルバムの最後の曲が「無常の世界」という曲なのはそのあたりが影響しているのだろうと思います。METAFIVEのようなキレキレ感は控えめで、全体的にまったりとした心地よい浮遊感があるサウンドが支配しています。大人の音楽ですね。おすすめです。

自分は1990年代にウゴウゴルーガとか見ていたので小山田さん(当時はプリッパーズギター)の音楽は知っていましたが、実はコーネリアスのアルバムを買ったのはこれが初めてです。このアルバムを聞くと、METAFIVEの何割かは確実に小山田さんのDNAが入っているし、小山田さんには幸宏さん、教授、細野さんのDNAも入っていることがわかります。それこそニ拍三連とか(笑)