@練馬文化センター、指揮は横島勝人さんでした。
まずラ・ヴァルスですが、曲そのものが崩壊しそうなのかアンサンブルが崩壊しそうなのか、かなり微妙な始まり方をしたのでドキドキしてしまいました(笑)。しかしリズムが本当にワルツしていたのはびっくり。日本のオケで、日本の指揮者でこのリズムが聞ける(見れる)とは思わなかったので、めちゃくちゃ驚きました。ラヴェル流の「フランス人の目線から見たウィンナワルツ」のリズムを完璧に作り上げています。盛り上がるときの強烈なアッチェラレンドのかけ方はゲルギエフのような強力な推進力があるし(おフランスものなのでゲルギーほど下品にならないのもグッド)、ところどころに入る「ダダダン!」という見栄の切り方はクライバーを彷彿させるし、横島さんってすごすぎです。この人たぶん、本物のウィンナワルツも振れると思います。私はここでブラボーを叫びたかった(笑)。
問題の後半はたっぷり100分以上かけた演奏で、本気で死ぬかと思いました。1、2楽章は、まだいいんです。構成もはっきりしているので「いまどの辺をやってるから、中盤にさしかかったね」とか把握しながら聞けます。しかし、3楽章と4楽章はその把握を拒絶してきます。いつ果てるとも知らぬリフレインを延々と聴かされる拷問。これで下手なら寝ちゃえばいいんですけど、なにしろ弦楽器を中心にときおり猛烈に色彩感の濃い音色で美味しいフレーズを奏でてくれるし、あっちこっちに飛びまくる転調を妙に印象的に聞かせてくれるので寝るわけにもいかず。予習に使ったのがテンシュテット指揮のてきぱきした演奏で(75分程度でサクッと終わる)、横山さんがそれとはほぼ真逆の解釈を打ち出したのも効きました。私は非常に辛かったんですが、終演後に盛大なブラボーが飛び交ったところを見ると好きな人には本当に至福の時間だったようです。
ちなみに次回は8月3日、曲目はベートーヴェンの第九!でございます。