ヱヴァQサントラ曲目一覧と場面対比表の巻

探しても見つからないので、セリフを盛り込んだものを自分で作りました。これを作るためというわけではないけれど、Qをたぶん8回くらい見たので(もはや正確にカウントできずw)、大丈夫だと思います。

ディスク:1
  1. Gods Message =3EM02=
    「パターン青!?どこにいるの!!?」ナディアでおなじみ、バベルの光で攻撃する人工使徒と、改2号機の戦闘シーンの曲。もちろん曲もナディアBGMから「バベルの光」
  2. The Ultimate Soldier =3EM05=
    「目標を識別!コード4C。ネーメズィスシリーズです」海上に設営された偽装コクーンの下から侵攻してくる卑怯なヤツ。なお冒頭に出てきた、宇宙で飛び回ってた小さいやつが4A。
  3. Dark Defender =3EM06=
    「ったく、せっかくのニュースタイルだっちゅうのになんとも地味な出陣ね」ということで、ヴンダー主機起動準備中。ナディア「起死回生」より。
  4. The Anthem =3EM07=
    「ヴンダー発進!」これもナディア「我らの万能戦艦N-ノーチラス号」より
     この歌が私の脳内で全開に(笑)。
  5. Out of the Dark =3EM10=
    Mark.09がヴンダーに侵攻。「本命のお出ましか・・・!」〜「綾波!ここだ!!」
  6. L’Apotre de la Lune (2 pianos) =3EM12=
    誰もいないネルフ本部を徘徊するシンジ。「綾波ー!どこだよ、綾波ー!」
    このシーン、ヱヴァの拘束具が全自動で生産されている様子をはじめ、ネルフの状況が描写されている重要な場面です。音楽的には、半音のぶつかりを多用した和声が微妙な色合いを見せていると思います。
  7. Quatre Mains (a quatre mains) =3EM16=
    カヲルとシンジの連弾。この曲の前にも連弾していますが未収録ですし、カヲルくんがソロで弾いているバリエーションも未収録なのが非常に不満です。
  8. Qui veut faire l’ange fait la bete (piano solo) =3EM17=
    星を見るカヲルとシンジ。「ねえ、もう少しここにいない?このまま星を見ようよ」これ、いい曲だよなあ。ふたりが見上げた夜空にベガとアルタイルが輝いています。ホモォ・・・
  9. Trust =3EM19=
    「知りたいかい?」シンジに地上の惨状を見せるカヲル。「希望は残っているよ。どんな時にもね」⇒ティザーコピーのセリフがまさかこんなに重いとは、思ってもみませんでした。
    このシーンは音楽の尺も長くて、絵としっかりシンクロしているのが特徴です。最後の部分で中間のテロップが入るのも効果的でした。
  10. L’Apotre de la Lune (orchestre cordes) =3EM22=
    毎度のことですがエヴァに乗りたくない!と駄々をこねるシンジを懐柔するカヲル。「ピアノと同じだ。二人一緒ならいいことがあるよ。シンジ君」⇒結果、とんでもないことに。
    「L’Apotre de la Lune」の弦アレンジバージョンで、ピアノの音をそのままストリングスに置き換えているだけです。ピアノ版は静謐な雰囲気、弦楽版は切ない雰囲気がすると思います。
  11. Return to Ash =3EM23=
    セントラルドグマ最深部へ降下してゆく第13号機(「第」が付きます。ここ重要)と、Mark.09。「そんなの、僕らだけで十分だよ。・・・綾波じゃないのに・・・」邪魔者にカヲルくんとのデートを邪魔されたシンちゃんは、おかんむりのご様子。かわいい。
  12. It will mean Victory =3EM24=
    アスカ、襲来。改2号機 vs 第13号機 & Mark.09。ファンネル攻撃に盛大にウケました。いつのまにニュータイプになったんだ。あと、戦ってる人同士で罵り合うというガンダムな展開にもw
  13. Betrayal =3EM25=
    改2号機をブッ飛ばして、いまこそヤリでヤリ直すんだ。←全観客から総突っ込みを喰らったセリフ。
  14. Scarred and Battled =3EM26=
    "Pattern:Blue 12th angel" ここでようやく本物の使徒が登場。パターン青の表示が重要。使徒は「:」、ネーメズィスシリーズ(人工使徒)は「〜」が縦に2つ重なったもので区切られます。
  15. From Beethoven 9 =3EM27=
    「我らの願いは既にかなった。良い。すべてこれで良い。人類の補完。やすらかな魂の浄化を願う」と言い終わった瞬間に始まります。
    金管を中心にアレンジが施された第九で(だから「From」Beethoven 9 )、ソリストの歌い方も通常のクラシック演奏とは全然違っていて、かなり違和感ありました。自分はクラシック曲に手を加えられるのは、すごく抵抗があります。
  16. The Wrath of God in All its Fury =3EM28=
    「ATフィールド最大!このままエヴァを封じ込めて!主砲斉射用意!極射弾装填!なんとしてもフォースの発動を食い止めるのよ!撃てー!!」Mark.09 vs ヴンダー & 改2号機。上記からシームレスに繋がります。
    ⇒この曲が本予告で使われました。ヱヴァ新劇場版では、本予告に使われた曲が最後の戦闘曲なので、これが始まった瞬間にいよいよクライマックスだとわかります。しかしこの曲が流れている間は、第13号機とカヲル&シンジくんは蚊帳の外状態に。でもこの場面はアスカがゲロかっこよかったので許します!
  17. Tout est Perplexe (Theme Q) =3EM30b=
    Kindred Spiritsの途中から、この曲の中盤に繋がります。この曲で凄いのは、最高に盛り上がるところでヴァイオリン、ヴィオラ、チェロが4オクターブユニゾンで一斉にメロディを演奏するところです。「ここがいちばん伝えたい」という、作り手の想いがしっかりと表現されています。映画だと、この部分で第13号機がロンギヌスの槍で貫かれて「そんな顔しないで。また会えるよ、シンジ君」となるわけです。映画で使われたはこのユニゾンまでで、次のGods Giftに移行します。
    サントラでは、ひきつづきメロディが低い音域に移行して、チェロとヴィオラが演奏します。このとき対旋律をやはりチェロが弾いているのが面白いです。ディヴィジ(パートを分けて弾く)ではなさそうなので、オーバーダブでしょう。
  18. Gods Gift =3EM31=
    「ガフの扉がまだ閉じない!ワンコ君がゼーレの保険か!」「後始末は済んだ!しっかりしろワンコ君!」「ぐずるな!せめて姫を助けろ!男だろぉ!!」「ついでにぃ、ちょっとは世間を知らにゃ〜!」マリかっこよすぎ!痺れるぅ。あと、第13号機が4眼⇒2眼になるところや、遠ざかるカヲルくんのイメージが泣けます。
  19. Kindred Spirits (Theme Q) =3EM30a=
    「僕のせいなのか・・・僕が、僕が・・・」ついにガフの扉が全開に。Mark.09 vs ヴンダー & 改2号機の戦闘で大騒ぎした直後に入るピアノソロのイントロが、あまりにも効果的です。
ディスク:2
  1. Bataille d’Espace =3EM01=
    「アンチATフィールド!?」「ちっ、タチ悪い!ええいっ!やっぱり・・・邪魔!!」冒頭のファンネルみたいな人工使徒(ネーメズィスシリーズ:コード4A)とエヴァ改2号機、8号機の戦闘シーン。コード4Aは攻撃力が高いのに、防御力は極端に弱く、あっというまに撃破されてしまいます。弱すぎ。⇒もちろん前哨戦でしたw
  2. Quiproquo 131 (2 pianos) =3EM03=
    碇シンジ君・・・でいいのよね・・・?」ヴンダーのブリッジに拘引されてきたシンジに突き刺さる視線・視線・視線。
  3. Serenity Amongst the Turmoil =3EM04=
    ヴンダー、発進準備中。
  4. Quelconque 103 (piano) =3EM08=
    シンジ「これが初号機・・・?」リツコ「ええ。初号機は現在、本艦の主機として使用中。ゆえにパイロットは不要です。それからDSSチョーカーがどうのこうので」・・・以下延々と、リツコ太鼓無双。
    この曲を採譜しましたが、ほとんどツェルニーエチュードみたいです(笑)。
  5. Quiproquo 83 (2 pianos) =3EM09=
    「あれから14年経ってるってことよ。バカシンジ」「アスカ!」の直後から開始。開始するタイミングがよいです。
    オクターブの旋律は片手で弾かなくてはならないので、けっこう大変です。
  6. Quatre Mains (chambre cordes) (ボーナストラック)
    16分音符を1つずつ弓を返しながら弾かせる拷問です。
  7. Quiproquo 140 (piano) =3EM18=
    「元気、少ないね」これも曲の開始タイミングが絶妙だし、カヲル君のセリフ&口調との合わせ技で、何度見ても悶絶するシーンです。(piano) と書かれていますが、実は2台ピアノでの演奏。速いアルペジョの部分から戻る瞬間に、メロディと伴奏の担当が入れ替わっているはずです。そういう風に振り分けしないと、すごく演奏困難になってしまいます。
  8. Long Slow Pain =3EM20=
    「この人は・・・!!・・・綾波?」「君の母親だ。旧姓は綾波ユイ。大学では私の教え子だった」冬月先生がシンジにネタばらし。冬月とシンジが会話する場面は旧作にもなかったので、すごく驚きました。この曲は旧世紀版でもよく使われた曲です。
  9. Quelconque 56 avec A4 (2 pianos plus) =3EM21=
    フラフラと通路を彷徨うシンジ。「エヴァに乗れ」(ゲンドウ)「なにもしないで」(ミサト)「知らない」(黒波)「あんたには関係ない」(アスカ)「エヴァにだけは乗らんでくださいよ」(サクラ)といったリフレインに加えて、小さな声でおそらく「あんたなんかキライ」(登場人物とは関係のない第三者)が少し混ざります。Long Slow Painのピアノ版で、この曲も途中で伴奏と旋律を弾く人が切り替わります。
  10. Quiproquo 131 (orchestre) (ボーナストラック)
    ディスク2−2曲目「Quiproquo 131」のオーケストラバージョン。アレンジが派手すぎるので、ピアノソロに差し替えられたと推測します。
  11. Qui veut faire l’ange fait la bete (piano capricieux) (ボーナストラック)
    ディスク1の8曲目「Qui veut faire l’ange fait la bete」をもとにした即興演奏。自分はQui veut...が大好きなので、すごくうれしい。
  12. Theme Q (guitare) =3EM13=
    「なんだか、ずいぶん変わっちゃったんだね。ネルフ本部・・・」黒波とシンジの会話。シンちゃんが一生懸命話しているのに、黒波が無反応なのが切ない。この曲はギター2挺で演奏していて、映画館では左からメロディ、右から伴奏が聞こえるようになっていました。音符がすごく少ないんですけど、メロディがいいから十分に聴かせてくれますね。
  13. Bande-annonce (garcons) (ボーナストラック)
    予算あるんだなあ&遊び心満載だなあ、という感想。
  14. Peaceful Times (choeur) =3EM32=
    同上。次回予告で遊びすぎ(笑)。
  15. Famously... (ボーナストラック)
    Quelconque 103(ピアノソロ)〜Theme Q(トランペットソロ) 〜 L’Apotre de la Luneをもとにした即興(ピアノソロ)の順で回想がつづき、シンジの心情を描いた内罰的で自虐的な詩の朗読が入ります。
アニメ映画におけるライトモチーフ手法について

カヲシンがイチャイチャするシーンの音楽を、ことごとくTheme Qのバリエーションに置き換えると、Kindred Spiritsがものすごく泣けると思うんですけど、庵野さんは、そういうこと(ライトモチーフ手法といいます)しないのよね。トップのバスターマシンのモチーフのデンドンくらい。駿や高畑さんが、積極的にそういうことをやっているのと対照的です。ナウシカラピュタとか。ハウルもか。
ラピュタがすごいのは、オープニングからあのテーマ曲で押していって、クライマックスでは児童合唱になって思いきり泣かせて、最後のクレジットで歌詞がついて(これがダメ押し)、観客の感情の後始末を済ませてから大団円で終わるところ。映画館を出るときの爽快感が格別です。ハウルは「人生のメリーゴーランド」を使いまわしていて、あまりにも繰り返されるから1回映画を見ただけで曲を覚えてしまって、家に帰ったらもうピアノで弾けてしまいました(笑)。
マクロス「愛おぼ」は、ヒカル&ミンメイの曲、ヒカル&未沙の曲が別個に作られていて、ふたりきりになるシーンではそれぞれの曲が使い分けられていました。典型的なライトモチーフ手法ですね。もちろん前者の方が好きです。そして例の修羅場のシーンの曲は、この2曲がフュージョンします。ハネケンのピアノが素晴らしいです。
ヤマトでは「さらば」で古代とユキがふたりきりになるシーンにおいて、必ず「大いなる愛」の前半部分のバリエーションが使われます。白色彗星関係では必ずあのテーマだし、ヤマトは常に「ソソド〜」のメロディという具合に、ライトモチーフが徹底しています。