宇宙戦艦ヤマト完結編の音楽の密度が異様に高い件の巻

宇宙戦艦ヤマトシリーズのBGMを採譜して演奏するシリーズの再稼働に向けて準備中です。実はヤマト3で採譜済みの曲が1つ残っているのでこれを先に演奏する予定です。あとは「宇宙戦艦ヤマト音楽全集:見本演奏」の各曲と、ヤマト完結編の楽曲です。ヤマト完結編の音楽は、映画製作とは別に先走って作らており、非常に密度が高い楽曲が揃っています。

それまでのヤマトシリーズでは劇中で使われたBGMとは別に、音楽集や交響組曲という名前のついたアレンジアルバムを出していました。そしてアレンジアルバムのほうが、質が高く、聴き応えもあります。ところが完結編は最初から音楽集を録音してきます。最初が「ファイナルに向けての序曲」というタイトルの付いた大作で(序曲なのにアルバム1枚)、オーケストラがクラシック音楽の大編成になっています。1曲も長く複雑な構成になっていて、初めて聞いたときはとんでもないことが始まったと思いました。

その後に録音された劇中音楽も、ヤマト3までとは異なるアプローチの楽曲が多かったです。ヤマト3までBGMは1コーラスの繰り返しが多かったのですが、完結編では3コーラス(ABA形式)が普通で、ABA-CD-ABAの複合3部形式になっている曲も少なくありません。またほとんどフルオーケストラで演奏されており、コンボ編成や小編成の楽曲は極めて少ないです。そして尺が長い。ヤマト3までは1~2分の曲がたくさんあったのに、完結編では短い曲が減っていて、5分以上の曲がかなりたくさんあります。西崎Pが大作主義的な姿勢を標榜していたこともあり、重めの楽曲を書かないとOKを出さなかったと思われます。というわけで、完結編の楽曲をフルサイズで弾こうとするとすごく大変なんです。

ということでずっと悩んでいたのですが、先に上げた「宇宙戦艦ヤマト音楽全集:見本演奏」の中に完結編の楽曲か複数含まれていまして、どれも楽曲の美味しいところをピックアップする形でコンパクトになっています。なので、これを参考に採譜を進めることにしました。

今日は久しぶりにヤマト完結編のCDを聞きました。採譜用の解像度が高い再生環境で聞いたので、その情報量と密度に圧倒されまくりでした。しかし自分はヤマト完結編で最も重い楽曲であるSYMPHONY OF THE AQUARIUSの採譜ができたし、演奏もそれなりに再現できています。なので、やれるはずと信じて頑張ります。